積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

Firewatch

 

 

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store.steampowered.com

2月と数日前、何度かWeb拍手👏をいただいておりました!
とても嬉しいです。ありがとうございました😊

 

遊び終えたゲームたちの記事をまとめたいのですが、なかなかうまく書けず少し時間がかかっております……。
遊んだ順と前後してしまっていますが、出来た記事から公開させていただきますね。

ということで(?)今回はSteamで購入したFirewatchの簡単なゲーム紹介と感想記事になります。

 

一言感想:人はそれぞれどうにもならない痛みを抱えながら今日も生きている。

 

 

あらすじ

1989年。
主人公であるヘンリーはとある理由から愛する妻と離れ離れになり、新聞に出ていた『森林火災監視員』の仕事に応募し、逃げるように広大な山の中へとやってきた。
ヘンリーの仕事はその名の通り、この森を火事から守ること。

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1989年という時代、まだ携行式の連絡手段は限られており、彼の手には女性上司のデリラと繋がるトランシーバーがあるのみ。
ヘンリーとデリラはトランシーバーを通して様々な話をし、会ったことも無いはずの2人の間にはやがて様々な感情や絆が芽生え始める。

ゲームについて

 

・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり。Steam版の場合どうやら最初は字幕がOFFになっているようなので、設定画面からONにしておきましょう。
設定画面とメニュー画面からそれぞれ言語設定・字幕設定を行うと序盤のテキストもデリラ&ヘンリーの会話も日本語字幕で楽しめます。
・主人公……ヘンリー。30代後半
・仲間……デリラ。お酒を飲むのが大好きな明るい女性
・ゴア表現……なし。中盤以降は若干サスペンスな雰囲気が出てきます。

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1人称視点ミステリーアドベンチャーと紹介されている通りのゲームです。

階段を下りる、ロープを掴む、段差を飛び越える……等の動きがいちいちリアルなためか、慣れない内は酔ってしまうかもしれませんので注意。

 

オートセーブ対応ですが低木に嵌って動けなくなりリロードせざるを得なくなる事が2~3回あったので、こまめにセーブしておくと安心かもしれません。

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安定の方向音痴なわたしは迷子になる事が多かったのでクリアまで7時間ほどかかりましたが、スッといければ数時間でクリアできそうなボリュームです。
ゲームというよりは体験型の洋画のような趣で、雰囲気はとても良いです。

少しでも気になる方はネタバレを見ないうちに遊んでみてほしいゲームです。

 

感想(※この先ネタバレあり)

※この先にはゲームストーリーのネタバレがあります。

 

 

 

 

 

 

 

再序盤の数日が過ぎた後は特に事件の無い日々が続き、あっというまに日々が過ぎてゆきます。
プレイヤーはその間ヘンリーたちに関わってはいませんが、ヘンリーは平和な期間中もこの監視所で生活をし、デリラとも無線を通して他愛ない会話をしていたはずです。
ゲーム中では描かれなかった日々の会話もすべて聞き漏らさず拾いたくて仕方なかった気持ちにさせられる、そんな素敵なゲームでした。

 

ヘンリーとデリラの関係性については人によってとらえかたが違ってきそうですね。
ふたりの間にあるものが“ただの友情”なのか、“それ以上のもの”なのか、そこを敢えて選択させようとしているような選択肢も終盤は結構多かったように思います。

ヘンリーとデリラの仲を応援するような選択を取ったらエンディングが何か違ったものになったのか否かはわかりませんが、わたしは自分自身が女という立場であるからか、どうしてもヘンリーの妻であり病床にいるジュリアのことを思ってしまいヘンリーには頑なに「恋愛感情は常にジュリアのためにあり、デリラとの関係は飽くまでも上司と部下、友情である」というスタンスを貫かせてしまいました。

でも、それと同時に考える事もありました。
もし自分に旦那が居たとして、そして自分自身が旦那の事を全て忘れてしまう病気だったとして。
「わたしはあなたを忘れてしまうけれど、あなたにはわたしを忘れないままで居て欲しい、ずっとそばに居て世話を焼いてほしい」と思うかな?と。
大切な人に離れていかれるのは寂しいし、本音では嫌だと思うでしょうけれど、肝心の自分自身がその人の記憶を失って“苦しみの種”になるくらいなら、わたしのことは忘れて自分の人生を歩んで欲しいと思うかもしれません。
ヘンリーはまだ39歳。
まだまだ好きに自分の人生を歩んでいける年齢ですもんね……。

 

ストーリーの途中で大量に撒かれた謎の大半は呆気なく回収され、結局のところ“黒幕”はたった一人でした。

この点に関しては賛否両論あるようですね。
その存在についてずっと仄めかされていた巨大なクマに関してもわたしは特に遭遇しませんでした……が、山の中をもっとしっかり探索したら出会っていたのでしょうか?
アライグマになら出会ったんですが……。

 

物語の核となったグッドウィン親子の事については、色々と思うところがありました。

子供の遺体をこんなにはっきり見せるゲームは珍しい気がしました。
特に海外のゲームでは。
レンジャーへの手紙やご近所さんへの手紙、そして幼いながらも頭の良さや柔軟さが良くわかるレポート等を見るだけでもとても良い子だったことが伝わっていたので、事故とはいえ可哀想でした……。

洞窟に入って上から見た時、何か赤いものが崖の途中に落ちているなと思ったのですが、あれは恐らくブライアンの靴だったんですね。
片方脱げてしまっているので。

それにしたってあんな寂しい、誰も来ないようなところに子供の遺体を置き去りにする親いる?とネッドに対してはデリラと同じく怒りを覚えていたのですが、エンディングで自分(ヘンリー)が撮った写真と共にブライアンが撮ったと思しき写真たちが流れるのを見ていたら少しだけ冷静になりました。
ブライアンはお父さんが大好きだったんでしょうね。
山登りはそれほど好きじゃなかったかもしれませんが、この山での生活は彼なりに結構楽しんでいたんじゃないでしょうか。

ブライアン・グッドウィンの過ごした最後の日々が彼にとって楽しいものであったなら、部外者があれこれ言うのも違うのかなと思いました。
たとえあれが父親であるネッドの不注意や、本来はしかるべき場所に報告しなければならなかったはずのデリラの甘さが引き起こした事故だったのだとしても。

 

デリラとヘンリーはあの後、ブライアンのことを誰かに話したでしょうか。
それともお互い黙ったまま静かな一夏の思い出と共にすべて忘れる事にしたのでしょうか。

どちらであったとしてもわたしには『それが正しい』とは断言できそうもありません。

 

決して長くないプレイ時間だったのですが、ここまで色々考えさせられるとは思いませんでした。

遊べて良かったと思います。