Steamで購入したSpec Ops: The Lineを遊んでいました。
今までSTG、TPSっぽいものはFall○utとSky○imくらいしか遊んだ経験が無かったので最初はかなり操作に苦しみましたがとても楽しめました。
わたしの環境だと何故か初回起動時にセキュリティソフトによるウイルスチェックでNG判定が出てしまい、その後起動が出来なかったため整合性チェックをかけたところ正常動作するようになりました。
整合性チェック時には「必要なファイルが見当たらないので再取得します」といったメッセージが出ていました。
うちのPCに入っているセキュリティソフトにウイルス判定されて消えてしまったのか否かは不明です。
一言感想:お前は英雄なんかじゃない。
あらすじ
猛烈な砂嵐に襲われたドバイから民間人を救助するため、アメリカ軍兵士であるジョン・コンラッド大佐率いる救助部隊が派遣された。
しかし彼らが任務を終えて帰還して来ることはなく、コンラッド大佐によるドバイからの謎の通信を傍受したアメリカ陸軍は、マーティン・ウォーカー大尉率いる3人のデルタフォース隊員を現地に派遣することとなるのだが……。
ゲームについて
・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり。戦闘中の言葉やモブの話している事等は翻訳されていない箇所も多いですが、プレイに支障はないと思います。
・主人公……マーティン・ウォーカー大尉。
ウォーカーはかつて戦場でコンラッド大佐に助けられた経験があり、彼の事を非常に尊敬しています。
・仲間……アダムス中尉とルーゴ軍曹という2名の仲間がいます。
戦闘時には非常に頼りになる存在です。
・ゴア表現……あり。戦争を題材にしている事もあり作中のゴア表現はかなりキツめだと思いますので、苦手な方は注意が必要です。
・その他……終始暗いゲームです。鬱ゲーが苦手だとダメかも。
わたしの1周目クリア時間は6.4時間でした。
STGド素人でもこんな感じなので、上手な人だともっと早く終わりそうです。
感想(※この先ネタバレあり)
※この先はスクショも含めネタバレがあります!
1周クリアし、ひえー……と放心した状態で他の方の感想などを拝読→色々知った上で2周目を遊んでクリアしました。
機密情報も全て入手済み。
シナリオの長さ(短さ)については賛否両論あるようですが、余計な要素なくひたすら鬱要素を詰め込んであるストーリーはその分突き抜けていてわたしはとても好きでした。
気軽に(シナリオは全然気軽じゃないですが)プレイできるおかげで周回が苦にならないところもありがたかったです。
現実での戦争は大嫌いだし当然反対なんですが、相変わらず軍服や軍隊というものが好きなのでデルタ隊や33部隊の戦う姿はとてもかっこよかったです……。
想像にすぎないですが、戦場で指示を出したりお互いの存在を認識し合ったりする時は本当にこういう空気感なんだろうなと思う緊迫した喋り方も最高でした。
STGはあんまり遊んだ経験が無い(Fall○utはV.A.T.S.が、Sk○rimは弓があるおかげでなんとかやれている)ので難易度はEASYにしようか迷いましたが、NORMALにしました。
仲間の2人がめちゃくちゃ強くて笑いました。
ほとんど彼ら任せで突破したチャプターがいくつもあります……強い仲間がいてくれて本当にありがたかったです。
そしてチェックポイントが細かくわけてあるのも最高でした。
なにってヘタクソすぎてすぐ死ぬので。ゲーム下手すぐ死ぬ。
容赦のない残酷描写もすごかった。
現代世界が舞台なので、戦争では本当にこういう光景をたくさん見る事になるんだろうな……と感じて気持ちがどんどん重たくなりました。
遺体はまだ良い(?)んですが、まだ息のある武装市民や33部隊が苦しんでるのを見るのが特にキッツかったですね……片脚無くして這いずってきてそのまま事切れる人たち、すごくエグかった。
実はわたしにこれをすすめてきてくれた人が“ウォーカーが誤って白リンで多数の民間人を……”のあたりは説明した上でおすすめしてくれたので(ある程度わたしがネタバレ平気だからって、こ、こんなに物語の核になってるとこ言う?!とプレイしながら笑ってしまったのは内緒)、最後に明らかになるコンラッド大佐の件はなんとなーく、うっすらとですが察しがついていました。
わたしはキャラクターへの感情移入は激しいもののそれほど自己投影しないほうなので、今回は主人公=プレイヤーという考え方をしなかったからこそ正気でいられた面もあったのかもしれません。
プレイしながらずっとウォーカーに同情していましたが、ウォーカーに選ばせたのも進ませたのも最後まで遊ぶことを決めたのもプレイヤーであるわたしなんだよなあ……と思うと更に後味が悪いのであまり考えないようにしています。
序盤は33部隊を倒すことに戸惑いを覚えているような素振りの多いウォーカーですが、例の事件後からは、まるで自分の行動を正当化するように残虐に33部隊を殺していきます。
その姿は恐らく、正義感を胸にドバイ入りしたはずなのにいつの間にやら市民や反乱した33部隊を殺害することに慣れてしまったコンラッド大佐に重なるところがあるのだろうなと感じました。
冒頭のヘリのシーンと同じシーンが出てきて、更にウォーカー自身が「こんな事が前にもあったような……」と言い始めた時はおや?と思ったものの特に気にも留めていなかったのですが、こちらのPCゲームファンサイト(PCゲーム道場 様)↓
……の考察にて『この物語は冒頭のヘリの時点で既にデルタ隊の全滅によって終わっていて、その後のゲーム本編は全てウォーカーの回想と妄想である ということをシナリオライターの方がインタビューで語っている』というのを読んでとても驚きました。
さすがにそんな事は一ミリも予想していなかったですし、なんなら最後まで遊んでも全然気が付きませんでした……。
わたしの1周目ウォーカーは迎えに来た米兵たちとアメリカへ帰る道を選んだので、「すべてを伏せてアメリカに帰るんだね……。正直PTSDで一生廃人になりそうだけど、でもまぁ生きててくれて良かった。頑張ったよウォーカー」くらいの感想で納得しようとしていたところで“ゲーム内では明確に語られていなかった真相”を知って大きなショックを受けてしまいました。
あのエンディングがウォーカーの魂の救済を意味しているのだとしたら少しは気が楽になるんですが、果たしてどうなんでしょうね……。
コンラッドはとっくの昔(遺体の状態から察するに、間違いなく昨日今日ではなさそう)に自死していた=コンラッドがウォーカーによる住民大虐殺の絵を描くような事も出来ない=あの絵さえも幻覚。
「ドバイはあなたのものです」と言いながら敬礼してきた33部隊も幻覚。
となると現実世界では本当にコンラッド大佐が死んでいるのか否かすらもわからなくなりますよね。
いえ、本当に大佐が死んでるにしろ死んでないにしろウォーカーが白リンで民間人を殺害してしまったのは現実ですし、ウォーカーたちが同じ国の兵士である33部隊を多数殺害してしまったのも現実ですし、自分を信じてついてきてくれたアダムスとルーゴを巻き添えにして死なせてしまったのも現実なら正直もう今更大佐の生死なんてどうでも良い事ではあるんですけど……。
タイトル画面やロード画面がチャプターごとに少しずつ変わっていく演出がものすごく良かったです。
一気に遊んじゃうと気づかないかもしれない部分ですが、こだわり抜かれてるなあと思いました。
少しずつ崩壊していくドバイと、兵士がいなくなりボロボロになる星条旗。
そして最後は完全に崩壊したドバイを背景に灰色の雨が降る。
この物悲しさと後味の悪さ、好きです。とても好き。
ループだと理解した上で挑んだ2周目は、『ウォーカーの妄想・回想で構成されている世界だからこその違和感』にいくつか気づくことができて楽しかった反面、『やっと終わったウォーカーの地獄のループをまた意図的に再開させてしまった』ような気分にもなりとても申し訳なくなりました。
戦闘自体はSTG初心者ということもあり非常に楽しめたので更に高難易度でもう1周くらいしたいような気もしますが、このつらさをもう1回ウォーカーに味わわせるのか……と思うとなかなか踏ん切りがつかないので、ひょっとするとわたしのドバイはこれで終わるかもしれません。
今回の感想はここまで。
改めて、戦争は何も生まないしみんな傷つくだけだと心に刻まれる良いゲームでした。
相当元気な時にやらないと引きずりますね……。