積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

VA-11_HALL-A

 

 

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寒かったり暑かったり変な気候ですね。
今年は雪が多いらしいと聞いて、豪雪地帯田舎民のわたしは既に怯えています。
今年の冬も無事に越せるといいのですが……。

あ!そういえば、Web拍手がおかしくなっていたので直しておきました。
直してから沢山ぱちぱち👏してくださった方がいてとっても嬉しかったです~!
ありがとうございます!

 

さて、今回はVA-11_HALL-A(ヴァルハラ)を遊んでいたのでその感想文です。
バイセクシャルの女性バーテンダー主人公となって、夜な夜なやってくるお客さんにお酒を出しながらお話を聞くビジュアルノベル。

 

一言感想:お酒で紐解く他人の人生と怒涛の下ネタ

 

 

あらすじ

西暦207X年、グリッチシティ。
人間と『リリム』と呼ばれるAIロボットが共に暮らす街。
暴力と混沌にまみれたこの街外れにあるバー “VA-11_HALL-A” 通称ヴァルハラには、今夜も様々なお客さんがやって来る。

 

ゲームについて

・日本語音声……ボイス自体なし。
・日本語字幕……あり。翻訳は「本当に海外ゲームなの!?」というくらい自然。
・主人公……ジル。ボケもツッコミも達者。
・その他……エグめの下ネタとLGBT系話題が多め。
本作で特に多いのはレズビアンで、登場人物の何人かには「過去に同性の恋人が居た」という話題が普通に出てきます。誤訳ではない。

 

わたしの1周プレイ時間は14.5時間でした。

過去にこのブログでもご紹介した2064: Read Only Memories

nksz.hateblo.jp

とは開発会社が違いますが、「なんだか世界観似てるしコラボしようぜ!」とお互いの会社が意気投合したそうで、2064ROMで見聞きしたものや人が登場することがあります。
もちろん知らなくても楽しめるように出来ていますが、ヴァルハラが気に入った方は2064ROMもきっと好きなのでおすすめです(宣伝)。

 

 

感想(※この先ネタバレあり)

ここから画像含めネタバレあり感想です。

 

 

まずはこのバーを訪れる一部のお客さんと従業員について、個人的な印象と感想。

+ジル

我らが主人公ジル。
お客さん相手に無駄に媚びる事はせず、誰が相手でも本音でぶつかっていく感じが好印象でした。
もっとクールなキャラなのかなと思っていたら案外そうでもなく結構親しみやすく、かつ喜怒哀楽が割と激しめでリアルだなあと思いました。
淡々としているように見えて実はとても寂しがり屋で、一夜限りの相手を探すような一面もある……というようなことまで赤裸々に語られるテキストは非常に彼女らの人間味を感じて好きです。

 

+デイナ

あっけらかんとしていながら謎多き女だったなあ……。
結局どうして義手になったのかはわからずじまいでしたね。
2064ROMの“あの人”と一瞬恋仲だったけどすぐ別れた、というエピソードが、なんだか“らしい”感じでほっこりしました。
個人的にはジルとデイナの恋模様に結構期待していたんですが(ジルは恐らくデイナがノンケだから諦めているのだろうな……と勝手に思っていたので、女性と付き合えるならジルにだってチャンスあるじゃん!と大喜びしたんです)、ジル&アナのエピローグを読んだところどうやらジル→デイナは恋心とはまたちょっと違う気持ちだったようで少し残念。

 

+ギリアン

お前は一体何者なんだよぉ~!
裏社会の人間っぽいことがふんわりわかる以外何もわからん!
結局最後のあれはほんとにヤリまくったからあんなに上機嫌だったんですか?
えっそんな単純な男だったのギリアン?
女性陣からは終始いじられまくってましたが、お客さんにいたゲイ青年からは興味を持たれていたので多分イケメンポジションなんでしょうね。
結局最後の最後まで“彼女”の正体さえもわからない。謎が多すぎる。

 

+ドロシー

いきなり子供がバーに来たけど大丈夫!?と驚いたのですが、なんとこの子はお客さんとベッドを共にしてお金をもらって生活しているアンドロイドでした。
この世界のアンドロイド……通称『リリム』は、今まで触れてきた作品に出てきたようなAIロボットとは少し違い、まるで人間の子供のような見た目で出荷された後、徐々に精神・身体共に成長・発育していくそうです。
それってもうほぼほぼ人間と変わらないのでは、と思っていたらジルもどうやらリリムたちに対して同じ感想を抱いているようでした。
一応現在のグリッチシティでは『あまりに人間と見分けのつかない外見をしたリリムは違法』とされているらしく、この辺はデト○イトビカムヒューマンと同じだなーと思いました。
……でも現実には人間に成り代わることが出来るほど人間に近い見た目のリリム(レプリボット)が現れたという噂も流れているようです。
これがあまりに酷くなって人間→リリムへの差別意識が高まるような事が起きてくるとFall○ut4の人造人間問題やデト○イトビカムヒューマンのアンドロイド排除思考みたいな事が起きちゃうんだろうな。

+キラ☆ミキ

いやー可愛かった。いい子。
彼女自身もリリムであるということは周知の事実のようですが、これってつまり初○ミクに自我があって、その初音○クが本物の人間のように心を成長させながら生活をしているようなものって事ですよね。
そんなんもうほぼほぼ人間じゃん(2回目)。

 

+アルマ

ジルの良き理解者、だけど彼女はノンケだから恋愛関係には発展しないという罪作りなポジション。
ジルのように“孤独を抱えると性欲で空いた穴を埋めようとしてしまう女の子”にとっては、むしろそういう同性が傍にいるほうが良いのかもしれませんね。
ただの友達だった人と関係を持ってしまったばっかりに疎遠になる……って異性では良くあることなのだから、同性でも有り得るでしょうし。
アルマが時々女性名を呟いてから名前を言い直していた弟くんがちょっと気になります。
自分の戸籍上の性と心の性が違う子なのかもしれませんね。
……あと、結局はっきりと言及されなかったような気がするのですがAlice_Rabbitって多分アルマですよね?
バーの機械を乗っ取った時に一瞬出てきたアイコン、Alice_Rabbitの使っているものと同じみたいでしたし……(気のせいだったらどうしよう)

 

セイステラ

とってもいいコンビでしたね。
お互いがお互いの事を心の底から大切に想っているんだなーというのが会話の端々から分かって、来店してくれる度に心があたたかくなりました。
元々セイが喫煙者というのは意外!
酷いものを目の当たりにして塞ぎ込んだセイは痛々しくて見てられませんでした……。
しかし、『ホワイトナイトはPTSD抑制手術を受けている』とサラッとステラに教えられた時はびっくりしました。
その手術を受けたセイでさえあれだけ病んじゃった現場、一般人には耐えられなかっただろうな……。

+マリオ

いや~めちゃくちゃ可愛かったですね。
しかもゲイ。最高かよ。
しかし出番が少なくて残念です……もうちょっと話してみたかったな。

 

+テイラー

ジル「変なお客さんが来ませんように」
→脳みそ「こんばんは」
→ジル(しまった!変な願掛けしたせいで!)
このノリ好きすぎて笑いました。
「まだ私が生きていた頃」という台詞があるということは、この状態はもう既に生命体としての活動は終えているって解釈で良いんでしょうか。
人間の心は脳にあると考えている派なので、こんなにしっかり脳が働いていてもテイラー自身は自分のことを“すでに死んでいる”と判断しているのは少し意外でした。
こんなにキャラ立ってるのに出番少ないなんて信じられない。

 

+ガビィ

本作のキーパーソン。
ジルに届いた手紙……の内容について、ジルが怒った時。
ガビィが初めて笑ったんですよね。
それ見てわたしちょっとじーんときてしまいました……。
一番近くに居たからこそ手遅れになる前に病気の事を話してほしかったというガビィの気持ちもわかるし、まだ幼い妹に病気のことを打ち明けられなかったレノアの気持ちもわかります。
でも、何も知らないまま置いていかれる事によって負う心の傷の深さも相当なものだろうな、とも思います。
特にガビィは非常に賢い子のようなので……。

 

全体を通して全く謎が明かされないまま終わった部分が多すぎて、もしや2周目でシナリオが変わるのか?と思ったのですが、どうやらそういうわけではない様子。
謎は謎のまま個人の解釈に任せるぜ!ということなのか、発売予定の続編で少しでも明らかになる部分があるのか……、どっちなんでしょうね。
ヴァルハラは既に閉店が決まっているというところから始まるのでその辺りについても何かあるのかな……と思っていたものの特に何もなし。
キラ☆ミキ御用達ということでバー継続決まったりしませんか?

 

閉店することが決まっているバー、解体された挙句市民にリンチされるホワイトナイト、もう二度と言葉を交わせない恋人への後悔、流れてくるニュースはほとんどが暗い内容……と、ストーリー自体はかなり重めだったのにそう感じないのは全体を通してのゆるーいノリと下ネタのおかげだったのだろうなと今は思います。
かなり人を選びそうな内容のゲームではあるのですが、鬱々とした気持ちのまま終わらなくて嬉しかったです。

お店にあったチューリングフィギュア?が気になるので(絶対“あの”チューリングですよね!)、ゆるっと2周目もやりたいなあと思っています。
そこでまた新しい発見があったら追記したいです!