積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

Valiant Hearts: The Great War

 

 

久しぶりに自分で自分のブログを読み返してみたら広告が非常に鬱陶しかったので、広告の量をガッと減らしてみました。しばらくこれで。

前回記事の後、たくさんの絵文字💌💕🍫とスターありがとうございました!!
いただいた反応を糧に、また色々と頑張っていきます。

 

さて この度は、買ったきり長く積んでいたゲームのひとつである Valiant Hearts: The Great War(ヴァリアント・ハート ザ グレイトウォー)の感想です。
テーマがテーマなので絶対に重いだろうな……と躊躇していたものの、絵文字箱にておすすめして下さった方のおかげで早めに着手することができました。
無事に落ち込みました、ありがとうございました。

 

一言感想:決して忘れてはいけない

 

 

あらすじ

フランスにあるサン=ミエルという小さな町で農場を営むエミールは、娘マリーと娘婿であるカール、そして生まれたばかりの孫ヴィクトルと共に日々を過ごしていた。
しかし、第一次世界大戦が始まると同時にその平和は脆く崩れ去ってしまう。

敵国となってしまったドイツ人であるカールはフランスからの国外退去を命じられ、その後すぐにエミールにも召集命令がかかる。
エミールは最愛の娘と孫を残し、戦地へ向かう事になるのだった……。

ゲームについて

アクションパズル・アドベンチャーゲームというジャンルらしく、キャラクターを操作して物語を進めていきます。
パズルやアクションの難易度は易しく、それでも詰まっているとヒントも出してくれます。
ストーリーを追う事に集中させてくれる良いバランスだったと思います。

・日本語音声……なし。
・日本語字幕……あり。
・主人公……エミールの他に男性2名、女性1名のキャラクターが居ます。場面ごとに操作キャラクターが切り替わり、キャラクターに合ったスキルで物語の進行を目指します。
・仲間……ウォルトという名の賢い犬が一緒に居てくれます。元々はドイツ軍の衛生犬でした。
・ゴア表現……あり。
可愛らしいタッチのイラストではありますが、描かれているテーマが“戦争”ということもあり特に後半は容赦なく遺体描写もありますので注意。

 

わたしのプレイ時間は11時間でした。
アクションゲームやパズルゲームがかなり苦手なのでプレイ時間が嵩んでいますが、サクサク進められる方であればこの半分くらいで終わるんじゃないかな……と思います。

 

store.steampowered.com

感想(※この先ネタバレあり)

※この先はスクショも含めクリアした方向けのネタバレがあります!
プレイ予定の方、未クリアの方はご注意ください。

 

 

UBISOFT CONNECTが起動するまで気が付かなかったのですが、これUbisoftが開発・発売しているゲームだったんですね。
そういえばUbisoftの本社ってフランスだったっけ……。

 

音楽について

タイトルで流れている、ピアノの切ない音楽がとても印象深いです。
“戦争”をテーマとし、しかもそれに積極的に関わっていく兵士という立場の者を主人公に据えながら、どことなく悲しい未来を予感させる曲調だと思っています。

ゲーム内・ゲームきっかけで学んだこと

・以前遊んだ11-11(イレブンイレブン)にもあったのですが、ゲーム内で拾える収集物によって史実の第一次世界大戦時の事を解説してくれる要素があります。
特に『史実』の項目では、当時の悲惨な状況を写真付きで解説してくれます。
正直、目を覆いたくなるような写真もありました。
フィクションならなんぼでも見れますが、これが全部実際に起きていたことなんだよな……と思うと本当につらく悲しくて、解説を読むだけで泣いてしまいました。
(ちなみに、ちょっと調べてみたところValiant Hearts: The Great Warの発売は2014年、そして11-11(イレブンイレブン)の発売年は2018年でした。
ところどころ演出やストーリーの方向性等が似ている箇所もあったので、11-11はValiant Heartsに影響された部分もあるのかな、と勝手に思っています)
戦争を題材にしたゲームでこういう要素があるのは個人的にとてもありがたいです。
例え過去の事、そして他の国の出来事であっても、知っておかなければならないことだと思うので。

 

・ベルギーで民間人を助けた際に「merci!」と言われたので、「あれ?ベルギーってフランス語なのか??」と疑問に思って調べたところ、ベルギーの公用語は『フランス語・フラマン語・ドイツ語』であると検索結果に出てきました。
同じ国に公用語が複数あるって、日本に住んでいるとなかなかイメージできないことなので勉強になりました(むしろ日本のような国が特殊で、他国では多言語国家は珍しくないとも聞いたことがあるような気もしますが……)。

 

・白衣の天使たち

当時の写真がこれほど綺麗に残っているのもすごいことだ……と思いました。

 

・“かの有名な写真”

ファークライ5のオンリー・ユーの元ネタこれかあ!!

 

有名な写真なんですね!?
教養が無さすぎて全然知らなかったです。

参考画像(ファークライ5より)

検索した。怖かった。夢に出てきそう。

キャラクターについて

日記以外には台詞はあまり無いものの、ひたむきに日々を生きて犬を愛でる登場人物たちにどんどん愛着が湧きました。

 

エミール

父であり義父であり祖父であり、勇敢、しかしごく普通の男性。
しっかりと軍服を着ていたのは序盤だけで、捕虜になってからはずっとタンクトップ姿でした。
冬でも、前線に復帰してもタンクトップ。
いや嘘でしょ。エミールに何か着せてあげてよ……。
というか、そもそももう若者ではないであろうエミールに旗手を任せるのかよ……とも思いました。
名誉ある役目と言っても、一番目立って的になってしまう危険な役割じゃないですか……。
エミールもドイツ軍を助けて、そして助けられたドイツ人もエミールを助けてあげる場面には、人間の優しさが詰まっていました。
こんなことがなければ友達同士になれたかもしれない。
笑顔でエミールの肩を叩くドイツ兵に少し泣きそうな気持ちになりました。
……しかし、その後すぐ、エミールを助けてくれたドイツ人はフランス軍の攻撃によって命を落としました。
思わず「あっ!」て叫んじゃったよ……。残酷すぎる。
でも正直、うっすら予想していた展開でもありました。
戦争ってこういうことですもんね……。
自分は働かない癖に部下を働かせ、その命が散っても見向きもしない……という上官には他のゲームでもずっとイライラが溜まっていたので、今回その上官をぶちのめすシーンには正直言ってスッとしてしまいました。
ところが、そんなことをすれば当然反乱軍として投獄されてしまいます。
上官を殺害した罪により、エミールには悲しすぎる最期が待っていました。
エミールが娘や孫に会えないままだったこと、カールが生きている事を知らないままこうなってしまったことが本当に悔しい。
「愛するパパより。いつまでも」。

 

カール

エミールの娘マリーの旦那。ドイツ人。
フランスから突如追い出された後は徴兵され、ドイツ兵として働いていました。
カールのような立場の人からしたら、こんな戦争なんて本当にとんでもないことだよな……と思いました。
愛する家族が居る国を敵として攻撃しないといけない。
自分が望んでいることじゃなくても、国の命令だからやらないといけない。
おかしな話ですよ。
フレディがフォン・ドルフ男爵を狙っている事が分かった時は、いずれフレディとカールが戦うことになるのかもしれない(そしてそれをきっかけにフレディとエミールも仲違いしてしまうのかもしれない)とドキドキしていましたが、フレディがとても良い人だった為にそんなことにはならずに済み、有難かったです。
それから、カールパートでフランス軍の捕虜施設から逃げている時の閃光弾?のシーン、怖いのにどこか幻想的で綺麗にも見えてしまいました。
恐らくジャパニーズソウルに刻まれたFireworks(花火)のせいだと思います。

 

フレディ

アメリカ出身。
フォン・ドルフ男爵率いる飛行船の爆撃によって最愛の妻を失い、フォン・ドルフ男爵への復讐を為すためにフランス軍に入隊した。
スクショを見ていて思い出したのですが、そういえばフレディって登場時、フランス兵から意地悪をされていましたよね。
あれはフレディがアメリカ人だからなのでしょうか、それとも黒人だからなのでしょうか……。
長旅の末、フレディは当初の目的通りにフォン・ドルフ男爵を追い詰めましたが、結局彼を殺すことは出来ませんでした。
『殺ろうと思えば今すぐにでも殺せる』状態だったにも関わらず男爵を殺すことが出来なかったところを見ても、フレディが本当に優しく思い遣りのある男性であることがわかります。
誰も戦争なんてしたくないのに、どうしてこんなことに……。

 

アンナ

ベルギー人。
優秀な頭脳を軍事利用する為に拉致された父親を追い、エミールたちと出会う。
父親は優秀な科学者で、アンナはかなり良い所のお嬢様のようです。
獣医になるため勉強している学生……という立場なのに、適切に人間の治療も出来ます。
ドイツ兵士もフランス兵士も分け隔てなく助ける、天使のような女性でした。
自分には関係ないという姿勢を一切見せず、父を無事に助け出した後も「前線で戦っている人たちのために働かなければ」と語っていて、あまりの凄さに心の中で拍手しました。
Valiant Hearts: The Great Warのナイチンゲールだ。
アンナのカーチェイスはいつもクラシック音楽に合わせた敵の攻撃がかっこよくて、逃げるのも忘れて思わず見とれてしまいました(そして爆撃されて死亡するまでがセット)。
茶化しているわけではなく、あくまでゲーム内ミニゲームを突破する際にテンションを上げる手段としてBGMを用いるというのはお洒落で好ましかったです。

ウォルト

ドイツの軍用犬(恐らく衛生班)。犬種はドーベルマンっぽい。
フランス兵・ドイツ兵であるエミールやフレディ、カール、そしてアンナの言う事もしっかり聞いてくれる賢いわんちゃん。
あまり得意ではないアクション&パズルゲームであるこのゲームを買うことになった大きなきっかけが、レビューに散見された「犬がかわいい」という先人たちの言葉でした。
これらのレビューのおかげで、メインビジュアルに写っているわんちゃんがそこそこシナリオに絡んできてくれるのだと思ったため購入を決めたことを覚えています。
とにかく賢く、ひたすらに健気でただただ可愛い。めちゃくちゃ可愛い。
みんなに撫でられている時の心底幸せそうな鳴き声と表情が天才だと思います。
エミールの最後の場面で、幻覚として現れる仲間たちの中にきちんとウォルトも含まれている事が嬉しかったです。
結末を知る前から、チャプターの合間に出てくる真っ白の背景にエミールとウォルトだけが立っているイラストは、なんだか見るたびに胸がぎゅっとなります。
綺麗なのに悲しい。

その他感想

チャプターの途中で終了するとチャプターの初めからになってしまう仕様??
毎日少しずつ進めようと思った時、この仕様が少々困りました。
それからコントローラーが使えずキーボードでしか操作が出来なかったため、操作性の難が目立ちました。
特にエミールパートの地面を掘る操作、もうちょっとどうにかして欲しい。
終盤にミサイルを避けながら地面を掘っていく場面で何回死んでしまった事か。

ストーリーは考えさせられる要素満載で、史実に基づいた知識を得るゲームとしても非常に良かったのですが、このゲームのアクションとパズルはかなり苦手な部類だったため進めるのに苦戦しました……。
プレイ時間の嵩みように苦労の跡が見えますね。

 

普段人型の敵を倒すFPSゲームをやりながら何を言っているんだと思われるかもしれませんが、やはり、人間同士で戦い殺し合う“戦争”ってとても恐ろしいな……とずっと考えていました。
どうして国の命令で戦いたくもない人間同士で戦って、腕や足や命を失わないといけないの。狂ってる。
終盤、遺体が積み重なった場所を歩いている間、やりきれない気持ちでいっぱいでした。
こんな事がかつて起きていて、そして今でも世界で起きている。
一般市民であるわたしたちは、多くの犠牲の上に現代の平和が成立していることを忘れず、日々を生きていくしかないんだろうなと思います。

 

では、今回はここまで。

 

おまけ:今までわたしがプレイした戦争系のゲーム

nksz-game.com

Valiant Hearts: The Great Warと同じく、第一次世界大戦をテーマにした物語。
敵国同士であるドイツ兵とカナダ兵の交流を描いています。
軍用犬は登場しませんが、猫と鳥が居ます。

 

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戦時下を生きる一般人たちにスポットを当てた物語。
とにかく『生き延びる』事が最重要事項です。
ある程度立ち回り方に慣れるまで難易度高めだと思います。

 

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第二次世界大戦後のノルウェーを舞台とした物語。
当時のノルウェーはドイツへの悪感情がとても強かったそうですが、主人公はそんな中でドイツ人兵士の血が入った子供を養子にします。
差別によって徐々に笑顔を失っていく我が子を守る親になることが目標です。