積みゲー崩しと備忘録のようなもの

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Lake

 

 

 

今回は『Lake』の感想です。

 

一言感想:「人生は気まぐれなの」

 

 

あらすじ

1980年代、アメリカ オレゴン州。
都会に暮らして22年になるメレディスは、2週間だけ休暇を取り、故郷である田舎町 プロビデンスオークス へ束の間の里帰りを楽しむことにした。
この間両親は旅行へ出ており、メレディスは実家に一人暮らし。
帰省中は、父が就いていた郵便配達の仕事を手伝うことになっている。
メレディスを待つのは、かつてご近所さんとして暮らした人々との再会、そして新たな出会い。
昔と変わったり変わらなかったりする町に滞在する2週間、彼女は一体何を得るのだろうか。

ゲームについて

・日本語音声……なし。
・日本語字幕……あり。
・主人公……メレディス・ワイス

普段は都会でシステムエンジニア?プログラマー?の仕事をしているようです。
年齢は30代後半~40代くらい。

・ゴア表現……なし。ゆったりのんびりとした田舎町での生活が描かれています。
・クリア後について……メインストーリーは、クリア後すぐにトップ画面へ戻り、セーブした所からの再開となります。
ゲーム中の郵便配達が楽しかった方向けに、心行くまで荷物を配達できるエンドレスモードが搭載されているようです。

 

ウォーキングシミュレーターやドライブシミュレーターが好きな方にはとてもおすすめです。
とても小さな町ですが、美しい景色を眺めながらのんびりドライブするのが楽しめる方は大好きだと思います。
選べる場所は限られているものの、ファストトラベルやオートパイロット機能もあるので、郵便配達業が苦行に感じる層向けにも配慮があります。
そして恋人候補が2名居り、選択肢によってはGL要素あり

3つエンディングがあるようですが、わたしはエンディングはひとつしか見ていません。
クリア時間は8.4時間でした。

 

store.steampowered.com

 

感想(※この先ネタバレあり)

※この先はスクショも含めクリアした方向けのネタバレがあります!
プレイ予定の方、未クリアの方はご注意ください。

 

まず最初に

・全体的な印象

「思ってたのとはちょっと違ったなあ……」というのが正直な感想です。
ゆったりのんびりした田舎町、そこで出会う人々、2週間という短い期間の中で起こる数々のイベント……見どころは沢山あったのですが、いまいち自分の心が盛り上がる事の無いままクリアしてしまったかなという感じ。
ただ、「世界中の郵便配達員を尊敬する」というメッセージがエンドロールで流れてくるように、ゲーム制作チームが描きたかったことはしっかり伝わったと思います。

 

・郵便配達業について
この作品の肝。
関わりのあるキャラクター以外にも町に住んでいる人は当然大勢居るのですが、そういった方々の家にもきちんと手紙や小包を届ける必要があるというところはかなりリアルだなと思いました。
しかし、当然のごとく関わりのあるキャラクター以外に個別イベントは無いので、はるばるお届けしたところで不在。
「仕方ない、玄関に置いておこう」と、玄関先に雑に起き配することでその家への配達は終了となります。
確かにリアルではあるのですが、ゲームでこれをやられるとめちゃくちゃ徒労感を覚えるのだな……と思い知りました。

 

・田舎感
なんでこんなにリアルなんだ……。
田舎に良くいるお節介人間・噂好き人間の描き方が上手すぎて、若干の気持ち悪さ・居心地の悪さみたいなものがじっとり付きまとってきました。
プレイヤーはどこまで他人の事情に踏み入って良いのかいまいちよく分からないです。
現実世界だったら即切り上げているだろうなと思いつつ、ゲームだからもうちょっと話を聞いた方がいいのか……?と選択肢を前に悩む場面もしばしば。
そして選択肢、どういう意図なのか良くわからないことがありました。
洋ゲーあるある。

自然に囲まれ、すれ違う車も少なく、歩いている人も疎ら。
これもうほぼほぼわたしの住んでるところじゃん。

 

・BGMはどれもとても良いのですが、種類が少ないのが残念。
(ただ、その理由についてラジオDJが言及していたのは面白くて良かった)

 

キャラクターについて

特に言及したいことがある人たちだけ。

プレイヤー以外も日によって着ている服が変わるところ等、拘りを持って制作されていることが伝わりました。
わたしはローリーが好きです。

 

メレディス

本職はエンジニアかプログラマーか分かりませんが、開発系の仕事っぽいです。
1980年代に女性がそういう仕事に就いているって、まだ珍しかったのではないでしょうか。
2週間だけ休暇を取って故郷に戻って来ています。
そして、メレディスはその2週間、父の仕事である郵便配達の仕事をして過ごします(偉すぎ……働くの大好きなんだろうな)。
都会に居た頃は相当忙しく働いていたようで、休暇中のはずの2週間の間にもひっきりなしに職場の上司(?)から電話がかかってきます。休暇とは一体……???
休暇に入って3日目に仕事送り付けてくるの、どう考えてもブラック企業でしょ。
でも都会の職場って忙しいだろうからこういうのマジでありそう~(※わたしは田舎者なのでこれは完全なる偏見です)。
かつてこの町に住んでいたこともあり、地元の人たちはみんなメレディスを知っており、遠慮なく話しかけてきます。
これを「あたたかくて良いなあ」と感じるか、「うわっやめてくれ、放っておいてくれよ……」と思うかは人によって変わって来るでしょうね。(わたしは後者)
都会に出て行ったメレディスが田舎に少しの間戻ってきているという噂は数日であっという間に回っているのに、最初の数日間は彼女に対してみんな微妙によそよそしく、とても居心地の悪さを感じました。
田舎に住んでいる人間としては田舎側の気持ち(2週間しかいない人に対してどこまで踏み込んでよいのかとか、引け目とか……)もわかるんですが、たまに田舎出身都会在住の方が話しておられる「田舎に戻っても自分の居場所は無い、ここは自分の居るべき場所じゃないと感じる」というのは まさにこういう空気のことなのかもな……という気づきがありました。
多分、お互いに悪気は無いんだろうなと思うんです。
でも住む場所が変われば良くも悪くも価値観や関係性は変わっていくし、それを再び擦り合わせていくには途方もない時間がかかる。

……ところで、メレディスの「エム」ってあだ名ですよね?
メレディス・ワイスなのになんでエムなんだろう。
……ひょっとしてメレディスの頭文字のMってこと?

 

メレディスの両親

フットワークが軽すぎる。
旅行先のフロリダが気に入り、もうこのままこっちに永住しようかな~という気持ちになっているようです。
気持ちだけではなく、既にお試しの住居まで決めているよう。
住む事が決定したらプロビデンスオークスの家は売りに出すつもりとのこと。
いくらなんでも判断が早すぎるww
こんなマインドで人生生きていけたらめちゃめちゃ楽しそうですね。

 

フランク

ギャンブル狂いのおじさん。
郵便局の同僚?上司?
この人がもう少し尊敬できる人間であったなら、もっとこの仕事やこの町に愛着が湧いた(少なくとも、町に残ろうという選択肢を選ぶ気になった)かもしれないのに……。

ミルドレッド・ジェンキンス

猫多頭飼育おばあさん。元々ご近所さんらしく、メレディスに対して気安いわりにすぐへそを曲げる面倒臭い性格でした。ちょっと苦手。
この人、メレディスのことをタクシーか何かと勘違いしてない?
飼ってる猫たちはとても可愛くて良かったです。
特に、ここの猫を撫でるモードの時の猫の動きにとても拘りを感じて好きです。
(猫の頭を撫でる際、手が触れた側の猫の耳がくたっと倒れるところなんて超リアル)

 

モーリーン

ダイナーの店主さん。
旦那さんとは離婚したのかなと思っていたら、亡くなってしまったそうです……。
悪い人じゃないのは分かるのですが、ロバート関連でやたらと「お互い好きあってるんでしょ~?^^」という絡み方をしてくるところが苦手でした。
現実にも居ますよね、こういうおばちゃん……。

 

モーテルの従業員

この人大嫌いだったので、↑のシーンでは「ははっww」って鼻で笑ってしまいました(最低な感想)。

 

ケイ・エバンス

メレディスの、かつての親友。
美大に行きたかったが落ちてしまい、ここに残ってダイナーの手伝いをしているそう。
今は母親。娘のマックスは現在12歳。(他にもお子さんが居るみたい)
音楽活動をしていたようで、メレディスの居た2週間でまた少しずつ夢を追いかけてみようかなという気持ちになった様子です。
エンディングでケイの音楽が流れる演出はとても良かったです。良い曲でした。

 

ローリー

ガソリンスタンドのオーナーの娘さん?
自動車整備士……の卵である女の子。15歳。
幼いながらも既にしっかりした技術があるのですが、好きなものに対する反応はまだまだ子供らしくてかわいかったです。
お気に入りのキャラクター。

 

アンジー

かつてはロサンゼルスに住んでおり、現在はレンタルビデオショップを営んでいる。映画が大好き。
ここに移り住んでから6年目だそうで、現在はレンタルビデオ店の経営が上手くいっておらず焦っている様子です。
同性の恋人候補。
綺麗な人ですし、百合好きとしてとりあえずキスはしておいたんですが、全体的にイベントが薄味だったこともありそこまで愛着は湧かず……。
アンジー本人が嫌いなわけじゃないんですが、勝手に夢を抱いて田舎に来たものの合わなかったからといって「こんな寂れた町からやっとおさらばできる!」と満面の笑みで言っちゃうあたりはちょっと苦手かなと思いました。
わたしも今住んでいるド田舎は別に好きじゃないけれど、それでもやっぱり都会から来た人or都会に出て行った元地元民が田舎を口汚くこき下ろしているところを見るのって、あんまり良い気はしないので……(田舎者の面倒臭い感情)。
メレディスが居たたった2週間の間でレンタルビデオショップをスピード閉業し、車を手に入れてメレディスとロードトリップに出かけようとするフットワークの軽さを見せてきます。
正直、ちょっと怖かった。

 

ロバート

木こりのおじさん。バツイチ。
湖畔にアパートを建てるという計画に反対している。
異性の恋愛候補。
悪い人じゃないのですが、ちょっと偏屈なおじさんという印象。
この土地の自然を守りたい気持ちが強く、都市化には大反対しています。
町の色んな人たちがメレディスをロバートとくっつけようとしてきている空気を感じ、わたしはあまのじゃくなので「いや、そういうのやめて……」という気持ちばかり大きくなりました。
生まれ故郷で2週間の休暇を過ごしに来ただけなのに、気まずすぎるだろ。

ストーリー(エンディング)について

メレディスには、最終的にいくつかの選択肢が提示されます。

①この田舎町に残るのか
②都会の生活に戻るのか
③出会った恋人と新しい生活をスタートするのか

「ええ~……たった2週間でそんな決断任されても……」というのがわたしの感想です。

景色はとても良いし、のんびりしていていいところだとは思います。
でも、都会の生活を捨ててわざわざ永住したいと思えるほどには、プロビデンスオークスに愛着は湧きませんでした。
それと同様に、この2週間ちょっと話しただけのアンジーやロバートにも、すべてを捨てて共に生きたいと思うほどの愛着が湧きませんでした。
……ということで、わたしのメレディスは都会のバリキャリ生活に戻り……たかったのですが……。

都会に戻る予定でフランクと話をして、その後何故か「私と一緒に街を出て行くよね?」という気持ちになっているらしいアンジーとも話をして、一度はアンジーの誘いを断りました。

しかしアンジー、しつこく食い下がります。
び、びっくりした!


結構はっきり断ったにもかかわらず「私たちは一緒に行った方がいいと思うの」と強引です。
こ、怖い。
え??ヤンデレ百合ルート入った?

これにはわたしもメレディスもタジタジ。

 

断り切れず、メレディスは都会の仕事と生まれ故郷を捨てて、ロードトリップに出る事に……。

 

……まあ、でも、なんやかんやラストの2人は楽しそうにしていたので良しとします。
ずっと仲良くしてね。

 

そして、実は最後の方、バグで台無しになってました。
何故かメレディスが町の人たちの方を向かないなあ、目を合わせないなあと思っていたらポリゴンの向き調整が上手くいってなかったみたい。

虚空に向かってハグをする2人。(ダンスシーンではない)

 

目の前で虚空ハグ×2を見せられたアンジー、ドン引きしてそう。

 

では、今回はここまで。

 

おまけ:このゲームが好きな方への個人的おすすめゲーム

*雰囲気は異なりますが、配達系ゲーム2種類

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日本で配達系ゲームというと、まず候補に挙がるであろうデススト。
出てくる敵のビジュアルが怖めなのでホラーが苦手な場合は注意。

 

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サイバーパンクな街で配達業者の女性として1日働くゲーム。
世界観が特殊かつシナリオは難解ですが、面白かったので。

 

*雰囲気が若干似てるかな~と思うナラティブアドベンチャー

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とある事情で田舎町にやってきた主人公が、町の人たちとの交流を経てその後の将来を考えていくお話。
……恋人候補周りのお話がLakeと似ているので入れてみましたが、Lakeほどほのぼの楽しめるお話ではないので、暗い話が苦手であれば注意。