
死刑囚と色々お話をして世界観を味わうノベルアドベンチャーを遊んでいましたので、新年一発目はこちらのゲームについての感想を。
一言感想:良い後悔を。
あらすじ

新人刑務官であるあなたは、男性死刑囚2名のカウンセリングを担当することに。
死刑囚であるパニ・ナインテイルズとギル・デ=チョークの2名には罪の意識が無く、それに憤るあなたは、やがて彼らに訪れる“処刑”を意味のあるものにしたいと考えます。
カウンセリングを通して、あなたは彼らの事を理解することができるでしょうか。
彼らはあなたとの対話によって自身の罪に向き合うことができるでしょうか。
ゲームについて
・日本語音声……ボイス自体ほぼなし
・日本語字幕……日本のゲームです。
・主人公……新人刑務官。名前設定が必要。
・クリア後について……タイトルへ戻ります。
・その他注意事項
短編ゲームということもあり、何を言ってもネタバレに成り得るので、とりあえずこちらの注意書きのスクショを貼らせていただきます。

※Steamに体験版もあるようです。
想定プレイ時間2~3時間とのことですが、わたしの1周目クリア時間は5時間強でした。
感想(※この先ネタバレあり)
※この先はスクショも含めクリアした方向けのネタバレがあります!
プレイ予定の方、未クリアの方はご注意ください。
1周クリア時点でこの感想を書いています。
マルチエンディングらしいのですが、2名とも処刑でゲームを終える事が出来たので、多分これがトゥルーエンドなのかな……と思っています。
二次元の「かわいそうはかわいい」が好きなタイプだったにも関わらず年齢を重ねるごとに「いや、そうは言ってもみんなに幸せでいてほしいッス……」という気持ちが勝るようになってしまった事もあり、ギルとパニの運命をこれ以上弄ぶ(?)ことに抵抗を抱いてしまって2周目に入れずにいます。
・良かったなあと思ったところについて
まず、絵柄がとても良かったです。好き。
演出もとてもお洒落でした。
カウンセリング中、死刑囚たちの表情がリアルに動きます。
視線や口元の動きが好き。ついじっと見てしまいます。
スキップ機能も助かる~。
でも未読もスキップされてしまうのは少々残念。
・メインキャラクターとなる、パニとギル そして主人公について。
死刑囚たち、てっきり事件の間際に知り合ったのかと思ったら、子供の頃に既に知り合っていたようで……。
そこから現在に至るまでずっと続く、呪いのような愛憎劇。

とても歪んでいるものの、ギルもパニもお互いの事を慕い合っています。
しかし最終的に彼らを待ち受けるのは処刑。
そこは絶対に変わらないし、彼らが実は無実だったなんてことも無いし、主人公も「どんな過去があったとしても、彼らは裁かなければならない」という意思を曲げません。
プレイヤー……もとい主人公は、実はパニやギルに対してそれほど大それたことはしていないんですよね。
普通に、ひとりの人間に対して敬意と愛情をもって接しただけ。
それもたった数日。
ただそれだけで2人とも主人公に感謝し、考えを改めて反省できる人たちでした。
特にパニは、過去にあった事についても(内容がうっすら察しがついていたとはいえ)本人の口から聞くと より壮絶で悲しかったです。
中でも特に印象に残っているのは、3番目の被害者……ギルの父親に関する話題を振った時と、最期の晩餐についての話題を振った時の会話です。

ああ~……すごく無邪気に笑うんだよな。パニって。
かわいそうだ……。
人を殺しておいて赦しも何もないとは思うんですが、それでも、被害者がギルの父親だけだったら絶対許されていい存在だった、と、どうしても思ってしまいます。
わたしは執念深いほうで、どうしても「目には目を 歯には歯をだろ💢!」と思ってしまうタイプなので。
でも他にも、恐らくは死ぬまで追いつめられる必要が無かったはずの犠牲者がいるからこうなってしまってるんだよな~……。
やるせない。
無意識に記憶を消してしまうほど傷ついているのに、そのことに気づかずに(気づかないように?)生きてきたっていうのも悲しい。

最終日のパニとの会話が一番心に残ったというか、ずしんときてしまったのですが、その後に読んだ資料集のこの一文↑で更に抉られました。
パニ……。
暴力性も衝動性も褒められたものじゃないけど、世界の綺麗なところを君がもっともっと見られたら良かったのに。
しかし、パニ→ギルへの愛憎、すごかったなぁ。
「月がおれを見ないなら、あいつこそがおれの月だ」って もう……凄いセリフだよ。

ギルは、死んでしまったペットの犬を生前と同じように無邪気に散歩させようとしていたというエピソードを聞いた感じ、ちょっと変わった子供だったのは確かっぽいですね。
悪気なくそういうことをしてしまうしサイコパス気質ではあるものの、別に殺人自体を楽しんでいたわけではないというのがちょっと不思議な感じでした。
……ギルは自分の父親がパニに性的な虐待までしていたことを知っていたんでしょうか。
パニ自身も忘れていたようだったから、さすがに知らなかったでしょうか。
ギルは恐らく自分の父親について“自分の家族の為に悪い大人に子供を売る側の人間だった”という認識でいると思うので(それでも相当ヤバいのは変わりないんですが)、父親本人が子供……特にパニに対して手を出していたと知ったら更に自分を追い詰めてしまいそうだなと思っています。

なんか……おしゃれだ。惹かれる。

これは、ちょっと迷ったのですが2人のことは何も話しませんでした。
報告しなくても怒らず認めてくれるディアナさん、素晴らしい。
執行後の、この短い最後のやり取りだけで大好きになりました。
作中の2人が新たな年を迎えられずに死刑になるというのを知った時、この時期にこのゲームをプレイしてしまった事に対して色々複雑な気持ちになりました。
新年一発目に遊ぶゲームとして正しかったのか否かはちょっと微妙なところですが、心に残る良いゲームでした。
では、今回はここまで。