積みゲー崩しと備忘録のようなもの

ひたすらゲームの感想を残すブログ

ウーユリーフの処方箋

 

ウーユリーフの処方箋 - 脱出・推理ゲーム
ウーユリーフの処方箋 - 脱出・推理ゲーム
開発元:SEEC Inc.
無料
posted withアプリーチ

スマホアプリ、ウーユリーフの処方箋を遊んでいました。

 

あらすじ

 

顔面偏差値の高さから女子に大人気で、彼女をとっかえひっかえしているイケメン大学生、門マツリ。
ある日マツリは、唯一の友人である更紗から「イケメンのスマホに突然インストールされる呪いのゲーム」の話を聞く。

まったく信じていないマツリだったが、その日自宅で自分のスマホに見知らぬ乙女ゲームアプリ『ウーユリーフの処方箋』がインストールされている事に気が付いた。

f:id:nksz:20200605000326j:plain

パニックになりスマホを破壊しようと試みたものの、抵抗むなしく『ウーユリーフの処方箋』の世界に取り込まれてしまう……。

f:id:nksz:20200605000333j:plain


ゲームについて

 

AM5時に5枚ずつ配布されるチケットを使ってシナリオを読み進めるノベルアドベンチャーゲーム。
脱出要素・探索要素もあります。
登場人物は一部を除いてほとんど男性なので、どちらかというと女性向けゲームっぽい感じ。

ミニゲームとしてガチャや探索、アート作りなどがあります。

f:id:nksz:20200605000340j:plain

※シナリオを進める際にポイントが必要になる場面があるので、探索はできるだけこまめにしてポイントを貯めておいた方が良いです。

感想

 

※特にネタバレになりそうな部分は反転。

※進行状況→メインストーリーは最後まで読みました。バッドエンディングは未回収のところも多いのでこれから。
特別ストーリーと設定資料集については、気になりつつも新品のCSゲー買うくらいのお値段なこと&後述しますが、ちょっと個人的には「うーん」と思ってしまった部分もあったのでまだちょっと考え中。

 


今までにも何度か遊んでいるSEECさんのゲーム。

新作気になりつつ「乙女ゲーかな」と思って手を出せずにいましたが、某ブログさんの勢いのある布教記事を読んで思わずインストール。結論から言うとまったく乙女ゲーではなかった。

イラストはいつも通りの美麗ハイクオリティなんですが、音楽が声入りだったりキャラクターがモブまでボイス付きだったり……パッと見ただけで気合い入ってるなあとわかりますね。
CSのノベルゲームみたいな品質。

ただ、わたしのスマホと相性があまり良くないのか、チケットを使おうとした時しょっちゅうフリーズしてしまうので困りました。
無駄にチケット消費されてしまうことはなかったのでアプリ再起動でなんとかなった点は良かったのですが、フリーズの頻度が高いため地味にイライラ。アップデートでいつか改善されるといいな……。


飛び込んですぐに眼前に広がるスチームパンクな世界観。
チェ○クロ(鉄煙の大陸)とかグラ○ティデイズで見たような世界だ……もしくはfa○lout3のメガトン。なんかちょっとワクワクしちゃいますね。

 

マツリくん、男友達が欲しいわりに、初めて会った人間への脳内発言が「なかなか整った顔をしているが俺には劣る」ってこいつww 多分お前に友達出来ない原因そういうとこやぞwww

 

乙女ゲー会議の辺りで「コンテンツの消費速度がどんどん速くなってる」とイコモツが嘆いているのを見て、色んな作品色んなキャラに熱を上げて次々と遊び回る自分が恥ずかしくなりました。
好きな物は本当に好きになるし、サ終したゲームや漫画etcの中にも、未だに好きでファンアートを描いたりスクショを時々眺めたりするようなものもありますが、作品の中のキャラクターに自我があったらわたしの愛で方も「使い捨てられている」ようにしか感じないんだろうなと……(説明が下手すぎて伝わらない気がする 申し訳ない)。
あと全体的に、あまり乙女ゲーやらない自分でもちょっとドキッとするくらい乙女ゲー(女性向けゲーム全般)やユーザーを皮肉った強烈な内容だなあ……と衝撃を受けました。
「女性向けゲームのユーザーはあまりゲーム自体に金を落とさないからこういうところで金を集めないとどうにもならなくなる」という制作側の裏事情(?)は、恐らく仕事がどういうものかおわかりの大人の乙女ゲーユーザーさんなら「そりゃそうだろう」と思いながらも遊んでいるとは思うんですが、ゲーム中にもあったように“乙女ゲー=日々の疲れをイケメンで癒し、現実逃避の刺激を求めて遊ぶもの”という考えで遊んでらっしゃる層の方から見れば今後乙女ゲーで遊ぶ度に「あっここは集金要素……」「個性のない使い捨てのヒロイン……」と突然現実に引き戻されてしまう瞬間があるんじゃないかなと思ったのですが……考えすぎかな。
ラストを読み終えた今は【わざわざ乙女ゲーム・女性ゲーム界隈を強烈に皮肉る必要性は特に感じなかった】かな。
確かに【コンテンツの使い捨てという意味では女性向けゲームもアイドル(というか芸能界)も似たような部分があるのかもしれないですが……】。

 

カナタが死んだ時】とてもショックだったんですが、次のエピソードで【『カナタの腕はまるで千切れたうどんみたいだった』って出てきた時申し訳ないんですがちょっと笑っちゃいました……うどんて。】せめてもうちょっと別のものに例えてよ。
きっとCEROレーティングの関係で血が出せないせいで作り物になってるんでしょうね。
そしてタイトル画面の絵が少しずつ変化していることに気づいてドキドキでした。いなくなった人から目を閉じていく……。そして最終的には【ガチで誰もいなくなる】。つらい。

 

 

以下は最終章を読んで自分が感じた事をちょっとだけ書いておきます。
……どちらかというとネガティブな感想になってしまっている気がするんですが、全く批判したいわけではないし、とても楽しく遊ばせて頂きました。
特別ストーリーや設定資料を読む読まないでこの感想もまた変わってくるのかもしれませんが、とりあえず現時点で自分が考えた事について少し。

 

めちゃくちゃネタバレだと思うので間違っても7章クリア前に読まないでくださいね!スマホがダークモードだと見えちゃうかもしれないのでスクロールしないでくださいね!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い部屋を出て、門マツリが「自分は本当は何者なのか」を自覚し、“現実世界”で目覚めた円香くんと和歌くん、それから友喜くんの話が2~3話ほど挟まれる。
そしてエンディングを迎えた時、わたしの心に残ったのは安堵でも達成感でもなく、大きな喪失感でした。

好きな作品が終わるときはその媒体がなんであれ寂しさを覚えることが多いのですが、そういう時に感じる感情とはまた違う種類の切なさと喪失感。

 

一体これはなんだろうかとしばらく考えていたのですが、半日考えてようやく理由がわかりました。

 

わたしが救いたいと思っていたのは、救われてほしいと願っていたのは円香くんや友喜くんではなく、マツリやキリオやノゾミやカナタやミトだった。だからこんなに寂しいんだと思います。

 

頭ではわかっているんですよ。
マツリたちはただのゲームキャラクターで、彼らの悩みは円香くんや友喜くんの悩みが基になっていて、……ゲーム内の表現を借りるなら“空っぽなヒロイン”の1人であるということは。
もっと言えば、“三次元のわたしたち”から見れば円香くんや友喜くんのことさえも“二次元のキャラクター”であって、現実もクソもないということもわかっているんです。

 

でも、このゲームを始めてからずっと自分が見守ってきたのはマツリやキリオたちのほうで、円香くんたちの事はゲーム内の謎要素のひとつに過ぎなかった。
それがエンディング直前に突然「本来のリアルはこっちで、マツリたちこそがフィクション」と言われて結構なショックを受けました。

とどめに「もう自分を門マツリなんて言わない」という円香くんの台詞で、それこそ自分が今までずっと見守ってきたはずの、どうか救われて欲しいと思っていたはずのマツリやキリオたちの物語が“なかったこと”にされたような気がして喪失感を覚えました。

 

現実世界に戻ったらオフ会しようと話していたノゾミたちが本当に現実世界に帰ってオフ会することは絶対に無い。
「みんな生きてるよ、心があるよ」と言ってくれたンアウフはどこにもいない。
「ゲームの世界から脱出したい、主人公になりたい」と話していた“乙女ゲームの攻略キャラクターだった”キリオが救われる道も無い。
欠けていたものを少しずつ得て、人として成長しているように見えたマツリは虚構だった。友達が出来て喜んでいた事も、“ただの夢”どころか……。つらい(二度目)

 

それでも本来であればきっと、円香くんや友喜くん、和歌くんが救われた(?)ことを喜ぶべきなのでしょう。
でも、現時点でのわたしにはまだそれは出来ないです。
だって、円香くんたちはゲーム内要素の『ラスト・レジェンド』の登場人物であって、わたしが『門マツリ』として数週間にわたって一緒にスチームパンク世界を探索してきた仲間ではないから。
タイトル画面から居なくなってしまった、壊れた世界で一緒に過ごした5人のことを忘れられないから。


……いや長々書いててなかなかに自分気持ち悪いなと思ってるんですよ。思ってるから誰かわたしにも処方箋くれません!?(突然の大声)

ひょっとすると特別ストーリーがそれにあたるのかもしれないなと思いつつも、読んだうえでまだ自分の中で整理がつけられなかったら怖いなと思って手が出せないんです。お試しさえも怖くて読めてない。

たかが二次元になにをムキになってるんだと自分でも思うし、落ち着いて読み返したら恥ずかしくなりそうなんですが……せっかくなので書き残しておくことにしました。
色々書いちゃいましたが、【決して円香くんの事が嫌いなわけではないし(だって嫌いになれるほどよく知らない)、エンディングに不満がある・こういう展開はやめてほしかった……と言いたいわけではないです

推しはミトとマツリとンアウフです。今となってはみんなどこにも居ないけどね。つらい(三度目)
ただただわたしはあのラストに大きな喪失感を抱いて項垂れることしかできなかった、という感想でした。

 


おまけ

f:id:nksz:20200605000312j:plain

ウーユリーフ嫌いと言ってたから「こいつで弓矢を作れないかな」も冗談で言ってるのかと思ったら本当にウーユリーフを使って弓矢作ってて笑ってしまった。
確かこの世界、ここしか木無いんですもんね。