先日リマスター版発売が発表されて再び話題になっているライフイズストレンジ。
3年ほど前にsteamで購入して以来積み続けていたのですがこの度ようやく遊びました。
今回はちょっと感情移入しすぎてしまってクリア時には号泣&ボロボロになってしまったので普段以上に読みづらい箇所が多いと思います……一応落ち着きを取り戻すのを待ちつつ誤字脱字は修正したつもりですが直っていなかったらすみません。
最終章であるEpisode5まで無事クリアしたのですが、文章とスクショ量が多いため分割記事にしようと思います。
わたしは寄り道が多いので1周目クリアまでのプレイ時間はおよそ30時間でした。
※記事内容を大幅に削除・修正しました。(2022/5/28)
あらすじ
アルカディア・ベイという架空の町を舞台とした1週間の物語。
この町はアメリカのオレゴン州にあるという設定です。
主人公マックスは将来写真家になりたいという夢を持つ18歳の女の子。
マックスは憧れの写真家が教壇に立つ名門高校ブラックウェルに合格し、両親のいるシアトルを離れ、生まれ故郷であるアルカディア・ベイで寮生活を送ることになります。
忙しくも平凡な学校生活を送っていたある日、とある事件を目の当たりにしたマックスに“時間を巻き戻せる能力”が備わり……。
ゲームについて
マックスの“時間を巻き戻せる能力”を使って自分や他人の人生を変えたり変えなかったりするゲームです。
明るい青春ストーリーかと思いきや、シナリオや登場人物を取り巻く問題はかなりヘビーなものが多く、選択によっては人の生死までも変えてしまいます。
特に学校生活のリアルさは相当なもので、学生だった頃に何らかのトラウマがある方はちょっと心の準備が必要な場面もあるかもしれません。
わたしは自身のトラウマの関係で聲○形が非常にしんどいのですが、今回遊んだライフイズストレンジもなかなかしんどかったです……。
登場人物に極端に感情移入すると危険な類のゲームだと感じました。
※始めに注意書きも出ますが、激しい光の点滅が続くシーンが何度かあるので光の点滅が苦手な方は注意が必要です。
感想(※この先ネタバレあり)
Life Is Strange。
発売当時から現在に至るまで、『名作』という話はよく聞いていたし、家族や友人も遊んでいました。
わたしもいつか遊びたいなと思っていたのでそれとなくネタバレは避けるようにしつつ、断片的に仕入れた情報で知ったのは“百合”“主人公は写真が好き”“時間を巻き戻す能力を使う話”……という3点でした。
正直に申し上げます、わたしがこの3点の中でも特に気になって「遊ぼう!」と特に心を動かされたのは“百合”。
そんな邪な想いから遊び始めたこのゲーム、かわいい女の子たちが田舎町でイチャイチャするだけのゲームかと思っていたら、とんでもなかった。
物凄く重く美しく残酷で悲しい物語でした。
わたしのマックスは街を犠牲にし、クロエと生きていくことを選びました。
その事実は揺るぎませんが、実はクリア後に『パラレルワールドとして』別の選択肢も選んでみました。
すなわち、本来の運命を受け入れてクロエが女子トイレで死亡することになる終わり方です。
冒頭で「感情移入しすぎてしまって号泣した上に心がボロボロになった」と書いたのですが、わたしは町を犠牲にした時もクロエを見捨てた時も、どちらも物凄くつらくてどちらのエンディングでも号泣しました。
まるで本当にマックスというひとりの女の子の日常生活の中へ飛び込んだような感覚だったからこそ、わたしは必要以上にゲーム内の登場人物たちに感情移入してしまい、このゲームの様々なシーンであれだけ泣いて引きずったのだと思います。
実際にアメリカに行った経験も無ければもちろんアメリカのティーン学校に通った経験もありませんが、ゲームプレイ時のわたしは確かにマクシーン・コールフィールドとしてアルカディア・ベイに暮らす一人の女子生徒でした。
あらすじがマックスの日記というところも、プレイヤーがマックスとして日常を過ごしているという没入感を与える要素のひとつを担っていて、細部までとても凝っていると感じました。
とても面白かったし、選択によって未来が少しずつ変わるのも楽しくて、どうにかこうにかみんなを幸せにできる道はないかと考えて行動していたからこそ丁寧に紡いできた糸のすべてを残せないと知った時の絶望もすごかった。
終盤でマックスが今まで時空を歪めてきたことにより長い長い悪夢に囚われた時も、まだわたしは『物語の結末は幸せな最後で終わる』と信じていました。
竜巻なんかなかったことになって、クロエがいて、ウォーレンやケイトがいて、ジョイスおばさんもいて、あの町で小さな幸せを見つけながら学生時代を過ごせる結末が待っているのだろうと思っていました。
でも、クロエも街のみんなも生きて笑っていられるような都合のいい未来なんてどこにも無かった。
必ず“どちらか”を選ばなければならなかった。
マックスがブラックウェルで過ごした1ヶ月半ほどの時間のうちたった1週間を遊ばせてもらっただけだというのに、あまりに丁寧に描かれた日常生活のせいで クロエの事はもちろん、町の事も、この町に暮らす人々のことも大好きになってしまいました。
だから、最後に「町とクロエどちらを選ぶか」と突き付けられた時にマックスと同じくらい動揺したし、どちらを選んでもあれだけ悲しかったのだと思います。
(冷たい話ですが、仮に完全にクロエにだけスポットが当たっていて町にもクラスメイトにも町に暮らす大人たちにも何の思い入れも無ければ、わたしはあのシーンで町を犠牲にすることを一切躊躇いはせずクロエを選んでいたでしょう)
「どっちを選んだとしても、マックスが選んだならそれが正解だよ」とクロエが言ってくれたように、このゲームの終わり方は“どちらを選んだとしても正解”なのだろうと思います。
でも、個人的にはわたしのマックスが選ばなかった『クロエを犠牲にする』エンディングの方がわたしの中では“正史”かな……と感じました。
ずっとマックスの能力は『クロエという一人の少女を救うために備わったもの』であると思っていましたが、あれは『マックスという一人の少女を救うために備わったもの』だったのではないかと思うのです。
“自分の通う学校の女子トイレで射殺された女の子が実はかつての親友クロエだった”と突然知らされ、呆然としたまま葬儀に出席するはずだったマックスを“生きている世界線の”クロエと再会させ、きちんとさよならを言うために備わった能力だったのかな、と。
クロエを犠牲にすることを決めた時、クロエは「あたしのこと、忘れないで」とマックスに言います。
もしこの力が無かったら、マックスはクロエと5年間連絡を取らなかった事を後悔こそしたとしても、絶対に今現在のクロエを知ることは出来なかった。
見た目も言動も変わってしまった今のクロエが、ちゃんとマックスと心を通わせてマックスを「親友」と呼んでくれる事も知らないままさよならするところだった。
マックスの能力は消えぬ後悔を抱えるはずだったマックスが後悔しないで先に進むための力であり、クロエを忘れない為の力でもあったのではないかと思います。
どうしたらクロエや町のみんなが幸せになれるか考えて、実際に行動もして、沢山の人を救ったり感謝されたりして。
でも結局、わたしのマックスはクロエを生存させる代わりにあの町と町に住む沢山のクラスメイトや友人たちを犠牲にする道を選びました。
あの世界にいるマックスがウォーレンと週末に映画に行ける事も、ケイトやメリッサとお喋りする事も、ネイサンやビクトリア軍団と和解する事も、ダニエルに絵を描いてもらう事も、ジョイスおばさんの美味しいごはんを食べさせてもらえる事ももう二度とありません。
だってわたしがその道を選ばせたから。
あとはせめて、町を出てどこかへ向かった2人がこの先幸せであることを願うばかりですが……どういう回避の仕方をしても最終的に命を落とすことの多かったクロエですので、これも結局は「運命の先延ばし」であるような気がしてなりません。
それでも、わたしはあの後のマックスとクロエが一日でも長く一緒に居られるといいなと思っています。
……はい!おしまい。
長々と気持ち悪い感想文をすみません。
感情移入しすぎなのも考えものだなーと反省しつつ、わたしの「ライフイズストレンジ」感想は以上となります。
ラスト以外で今まで選んでこなかった選択をした場合の世界もとても気になりますが、今はまだもう少し余韻に浸っていたいなと思える作品でした。
2周目を遊べるのはいつになるかな……。
実はBefore the Stormも持っているので、近いうちに遊ぶ予定でいます。
この本編を見た後に前日譚なんて読んだらますます心が粉々になるだけだと思うので怖いですが、また気持ち悪い長文感想を綴りに来た際はもしよろしければお付き合いください。
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