Steam版Papers, Pleaseの感想です。
以前当ブログでもご紹介しました『オブラ・ディン号の帰還』を開発したLucas Popeの作品。
一家の大黒柱である入国管理官の男性として、入国者の提出した書類に不備が無いか否かを瞬時に判断→入国の可否を決める、言ってしまえば”時間に追われつつ間違い探しをする”ゲームです。
一言感想:入ってヨシ!(※良くない)
あらすじ
おめでとう。
10月度勤労抽選により貴方を入国審査官に命ずる。
即座配属のため、至急グレスティン国境検問所の入国管理省に赴くように。
貴方とその家族には、東グレスティンの8等級の住居が割り当てられる。
アルストツカに栄光あれ。
(Steam-『このゲームについて』より引用)
ゲームについて
・日本語音声……なし
・日本語字幕……あり
・主人公……男性。年齢や名前は不明。妻、幼い息子、叔父、義母と共に暮らす一家の大黒柱。
入国希望者が出してくるパスポート等の書類と確認事項を照らし合わせて確認し、パスポートに入国可否のスタンプを押すお仕事です。
操作説明を口頭で教えてもらえる事がほとんど無い為、最初は戸惑うかもしれません。
配布されている手帳に仕事内容や確認事項、各国の名称や国章等が記載されているので確認しながら仕事をこなしていきましょう。
アルストツカは最近まで他国と戦争していたらしく、テロリストが入国を試みてくることもあります。
ちなみに、
赤いほうのスタンプ『denied』……拒否。
緑のほうのスタンプ『approved』……承認。
となります。
感想(※この先ネタバレあり)
※この先は画像も含めストーリーモードのネタバレがあります!
プレイ時間は7.4時間でした。
ストーリーモード1周目のプレイ日記メモをそのまま書きます。
諸事情により()8日目で終わりましたので、きっちり記載しているのはそこまでです。
*業務開始前日
お前は抽選で入国管理官に任命されたので即刻勤務しろよ!あと家族ともどもこっちに引っ越せよな!という通知が来ました。
すでにめちゃくちゃブラック待遇っぽい予感がしますが大丈夫でしょうか。
入国可能なのはアルストツカ国民のみ。
アルストツカでは外国人は一切受け入れていないようです。
*初勤務日
どこを見たらいいかわからずモタモタしていたら10ドルしか黒字にならなくて爆笑しました。
最悪だよ。ゲーム内でまで無能なんて泣ける。クビになる……。
というか誰か仕事についてもうちょっと教えてくれます!?
ちょっと~責任者ぁ~!(スタッフゥ~!のノリ)
*2日目
正規パスポートを所持した外国人も受け入れて良くなったそうです。
昨日と今日の間に一体何があったのよ。
本当に見方がわからない。
矛盾……と言われても、まずその国にどんな都市があるのかさえわからないのにパスポートに矛盾があるかどうかなんてわかんないよ~。
適当にスタンプ押していたら2回間違えたらしくて怒られました。
テロ事件が起き、本日の収支は0ドル。
*3日目
外国人は入国券が必要になったようです。
この方がよほどやりやすいわ、ありがたい……とポンポンスタンプを押していたら最後に変なおじさんがやって来ました。
書類を何も持っていないので審査するようにと通知が出ましたが、朝貰ったメモを読んでみてもやり方がさっぱりわからず。
その後も色々やって、10~15分ほど悩みました(↑にあるのは悩みまくった末のスクショ)。
あっこれ詰んだわ。どうしよう。……と思ったら自分用に支給されていた説明書のページをめくれる事に今更気づきました。
あっ、これを使うのかぁ!(大馬鹿)
しかも、この説明書に各国についてしっかり書いてありました。
今度からこれ手元に置いて業務しよ……。
頑張って働いてはいますが収入がほとんど無いせいで息子が病気にかかっているようです。
そしてみんなお腹が空いている。
やばいよ、頑張って稼がないと家族の命が危ない。
*4日目
また入国基準が厳しくなったようです。
もう失敗するのは嫌なので説明書をちゃんと読んでおこう。
人がやってきたので「パスポートの写真が違うじゃん!」と指摘したら指紋を提出させるようにとのこと。
指紋……合ってんのこれ?人差し指が若干違うような?、と悩みながら拒否したら入れてOKの方だったようです。マジかよ。
その後、どう見ても名前が違うじゃん!という人が来たので指紋を照合→合ってるな、ヨシ!と入国させたら今度は入れたらNGの人でした。
綺麗な現○猫ムーブをかます新人。
このままでは本当に家族が死んでしまう。
モタモタしているうちに終業時刻になり、昨日のおじさんがまた来ました。
手作りのパスポートと共に。
帰れ帰れ!
*5日目
殺人容疑のかかっている人が来たり、夫婦で来たのに奥さんだけ入国できなかったり色々ありました。
家族全員病気になってしまった……。
食事も何日も出来ていないし、これもう死んじゃうかもしれない。
*6日目
悪い男にパスポートを売られるかもしれない、助けて欲しいと女性がメモを渡してきました。
しかしその男の書類には不備がありませんでした……不備が無いのに通さないわけにはいかない。
そして見るところがどんどん増えていくので業務時間が大幅超過してしまいます。
業務時間より後に来た人に対応しても賃金は発生しません。
……今更ですが、AM6時~PM6時まで休憩なしで働いてるところを見ても完全にブラックですよねこの仕事。
書類に不備が無い女性を通したところ、爆発テロを起こされてしまい業務が強制終了しました。
強制終了ってもう業務時間とっくに過ぎてたんですけどね。
叔父が亡くなりました……うわー、どうしたらいいんだろ。
ここから立て直すの無理じゃないですか?
*7日目
わたしの頭が悪すぎて書類だらけパニックになってしまうせいで全然業務時間内に終わらん……。
*8日目
業務開始から1週間で家族が全員亡くなりました。
そして「家族も養えないような奴はこの仕事には相応しくない」と言われてクビになりました。
家族を喪った男から仕事まで奪うって、あまりに酷。
2周目(~最終日までネタバレ)
長いので、これ以降はダイジェストでご紹介します。
2周目は31日(多分最終日)まで進みました。
コレチア人の自爆テロ犯が多すぎて草も生えません。
中盤からはコレチアのパスポート見たら警戒するようになってしまいました。
2周目でようやく理解したのですが、どうやらこのコレチアという国はアルストツカと最近まで戦争していたらしく、未だにお互い仲があまり良くないようです。
そんな状態の国の人を入国させるのはどうかと思います……お互いにとってもうちょっとほとぼりが冷めてからの方が良いのでは。
1周目でも出会った、助けを求めてくる女性(「彼は私と妹のパスポートを奪って売るつもりだと思います、どうか助けて……」と懇願して来るものの、その“彼”の書類には不備がないという女性)、翌日の新聞を見ると殺されてしまったようです……。
こんなの読んでしまうと罪悪感が芽生えます。
でも、不備無かったんですもん……あの犯人の男、よりによってアルストツカ人だし……。
たまにうっかりミスしてしまいますが、2周目からは書類業務もかなり上達。
勤務日数を重ねたことで、この周では警備兵のセルジュと出会いました。
主人公と同郷の守ってあげたい系男子。
息子の誕生日にクレヨンセットをあげたら絵が返ってきました。かわいい。
それと同時に、主人公の息子が自分の想像よりもはるかに幼い息子だったようで驚愕。
こんなかわいい絵を描く子を1周目では死なせてしまったのか……と落ち込みました。
この変なおじさんにだんだん愛着がわいてしまい、毎回密輸品を持ち込んでいる事に気づきつつ拘束せずに見逃していたらある日指名手配犯に。
しかし今回も散々悩んだ挙句見逃してしまいました……。
「タイホはまぬがれた」ってちょっとかわいいな。
助けてあげたんだからもう悪い事しないでね。
その後も、セルジュに頼まれた彼の恋人の書類に不備があることに気づきつつ、彼女を通しました。
再会して嬉しそうに抱き合ってるのを見てほっとしました……手元では次の外交官員に「ワクチン証明書無いんですか?じゃあ帰って下さいね~」と赤いスタンプを押しながら。
我ながら私情挟みまくりのクソ国境管理官だと思います。
こんな奴が国境守ってたら最悪です。
例のおじさんが自分の偽造パスポートをくれました。
これがあれば一人で亡命できますし、家族の人数分偽造パスポートを揃える事が出来れば家族全員で亡命できるようです。
覚えておこう。
連続幼児殺人事件の容疑者に私刑したいという、殺された幼い女の子の父親が来ました。
……もちろん人間としてやっちゃ駄目なのはわかっていますが協力しました。
もしも自分が彼(父親)の立場であればきっと同じことを考えるだろうと思ったので……。
翌日の新聞には、幼児連続殺人犯が何者かに殺害されたという新聞記事が出ました。
こんな感じで31日間「アルストツカのために!」と必死に勤務しましたが、変な組織に2回ほど協力したことがバレてスピード処刑というオチとなりました。
最悪だよ。
入国管理という取り返しのつかないような重要業務ではないものの、色々チェックする&間違えたらヤバいという業務を本業でもやっているので、自分が実際仕事中にやりそう&やったことのあるミス(写真見落としとか日付間違いとか)を何度かやらかしてしまいかなりへこみました。
シンプルなゲーム性ながら調子が出てくるとどんどん先に進みたくなる面白さで、考えさせられる場面も多々あり、楽しかったです。
強いて言えばエンディング集みたいなものが欲しかったですね。
結構パターンがあるらしいので埋めるのが楽しそう。
それでは今回はこのあたりで。
アルストツカに栄光あれ。
追記:
Papers, Please、YouTubeに10分強くらいのショートムービーがあります。
主人公を演じておられる役者さんはゲーム内主人公と同じく自分の心情は全く語らないものの、表情で今の心境が伝わってくる演技が見事です。ぜひ。
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記事内で言及した作品(オブラ・ディン号の帰還)についての当ブログ感想はこちら。