Disco Elysium(ディスコ エリジウム) - The Final Cutの感想です。
友人から全力でおすすめしてもらったので遊ぶのを楽しみにしていました。
タイトル画面からお洒落でもう好き。
とても面白かったです。
……が、この圧倒的な日本語訳と密度で描き出されたディスコエリジウムというゲームの世界観を余さず紹介する事はわたしには出来ないな、とプレイ途中の時点で早々にあきらめている自分がいました。
自分の語彙力と表現力の足りなさは他のゲームや映画に触れた際もいつも痛感していることなのでもう今更取り繕えることではありませんが、とにかく思うまま書いてみます。
いつもの事ながら読みづらいと思いますがどうかご容赦ください。
ほとんどノベルゲームというか、厚めの小説を読んでいるような感覚のゲームでした。
かなり人を選ぶのは間違いないですが、ハマったら抜け出せない独特の世界観が魅力的です。
一言感想:ハーーーードコア!!!!!🕺
あらすじ
とある店の一室で目を覚ました”あなた”。
部屋は荒れ果てており体調は最悪、しかも裸。
室内にある鏡を見てみても、あなたは自分が誰なのか、何故ここに居るのか、一切思い出せない。
ふらつく足取りで階下へ降りたあなたを待っていた男性はキム・キツラギ警部補と名乗り、あなたは彼との会話を通して自分の職業と与えられた使命を知ることになるが……。
ゲームについて
・日本語音声……なし。英語フルボイスです。
・日本語字幕……あり。凄まじい文章量。読書が好きな方向けのゲームだと思います。※脚本を担当された方は小説家としても活動されているそうです。
・主人公……記憶喪失の中年男性
・仲間……キム・キツラギ警部補。丸眼鏡の中年男性
・ゴア表現……視覚的なグロはほぼないものの、圧倒的な文章力で描かれる文字描写グロはあります。
感想(※この先ネタバレあり)
1周目クリア時点でのプレイ時間は38時間でした。
エンディングや作中のイベントは色々分岐があるようなので、通った道筋については後述します。
遊んでいる間にその時の感想や考えた事を沢山メモしたものの、どうまとめるのが正解なのか良くわからないバラバラな悲鳴の羅列だったので整形するのに苦労しました。
脳筋キャラが好きなので『肉体派』にしました。
あまり暴力で解決できる場面はありませんでしたが。
音楽
最初のうちは文章を読むのに必死だったからか、あまりBGMにまで気が回らなかったです。
一番印象に残っているのは朝のワーリング・イン・ラグズで流れていた曲と、
終盤の某所で流れていた曲です。綺麗。
ネタバレにならない程度の序盤感想
再序盤の謎すぎるやり取りで「あっ 無理かも」と一瞬不安になりました。
このゲームが”物凄く人を選ぶタイプのゲーム”ということだけは知識として仕入れていたので、「言ってることがあまりにも難解だ!馬鹿なわたしには無理かもしれん。わたしは選ばれなかった側の人間かもしれない」と身構えましたが、かなり特殊に感じたのは世界観が掴めていなかった序盤のみでした。
特に世界観に引き込まれ始めたのは捜査3日目に突入した頃からでしょうか。
マップは本屋さんで買える……ということを知らないまま5日目まで過ごしました。
キャラクターについて(※これより後は全てネタバレ)
※この先はスクショも含めエンディングまでのネタバレがあります!
細かい分岐のあるゲームですが、ミステリーを軸にしているという性質上プレイ前にご覧になると楽しみを著しく損なう可能性が高い為、未プレイ&クリア前の方はご注意ください。
特に言及したい人たちについて。
例によって例のごとく今回の印象も殆ど個人の主観に基づくものとなります。
脳内人格
主人公の頭の中には性格の異なる人格が24人住んでいます。
彼らは主人公の別人格……というより、まるで個々の別人のよう。
主人公の気持ちに寄り添ったり、叱咤したり、時には人格同士で喧嘩を始めたりとプレイヤーを飽きさせません。
本音を言うと最初のうちはなかなか馴染むことが出来なかったのですが、ある時ふと彼ら=ハリーではなく彼ら=キムやジョイスやガルテたちと同じくハリーを取り巻くひとりの人格だと認識したことでとても愛着が湧くようになりました。
……と言っても実はわたしの場合そのタイミングが非常に遅く、1周目の5~6日目あたりでの気づきだったので、わたしが1周目を終えてすぐに2周目に入りたいと思えたのは「今度は最初からこの認識の上で脳内会話を楽しみたい」という欲によるものでもありました。
肉体派だったからか良く登場してきた人格のひとつ、『薄明』がお気に入りです。
特にここの反応。「こんなん自信なくすわ」。かわいい。
ちなみにわたしのおじさんは色んな人に謝りまくっていたので『面目ない刑事』になりました。
薬はやりませんでしたが、酒と煙草はキムが寝てからこっそり試しました。1回だけ。
キム・キツラギ
え、このゲームを遊んでキムさんを好きにならない人っているんですか?と真顔で聞きたくなるくらい、キムさんに支えられて最後まで駆け抜けたという気持ちが強いです。
完全に初対面だったのに初日から最終日までず~っと頼りになる。好きすぎる。
特に初日の主人公なんて相当酷かったでしょうに、キムさんは最初から驚くほど主人公に対して親切で優しい人でした。
本当に誇りをもってこの仕事をしているんでしょうね。
常に冷静だけど、主人公がうまくやった時は素直に喜んでくれる上にハイタッチしてくれる。かわいい。
あと、思いがけず愛想が良いところが好きです。主人公にすごく微笑みかけてくれる。やさしい。押しつけがましくない淡々とした優しさが好きです。
子供に話しかける時は単語が分かり易いようにとてもゆっくり話すところもリアルで良かった。
そして自慢の車を褒めると嬉しそうなところ、めちゃくちゃ可愛いです。
キムさんの特に好きな所は、善か悪かで言えば確実に“善”な人なのに、時々真顔で善の道から外れた事をしでかしたり主人公がやらかしても捜査に必要であれば見て見ぬふりをしてくれたりするところ。
きれいごとだけで解決できる問題ばかりなら世の中こんなに生き辛くはない、と経験上深く知っていそうなところが好きです。
……そして、照れることはできない男だけど下ネタ満載ラジオを聴いてることがバレたら耳真っ赤になるキム、あまりに愛おしすぎますね。
生真面目キャラがひた隠しにするそういう一面が見える瞬間でテンションがぶち上がるという気色悪い謎性癖を抱えているので正直めちゃくちゃ興奮しました。ありがとうございました。
クーノ
遺体が吊るされている場所で、吊るされた遺体に石を投げているクソガキ。12歳。
汚い言葉遣いで大人に牙を剥きながら、齢12にして自らの末路を堕落した父と同じであると確信し、今後の人生すべてを諦観しているような本心を覗かせるクーノ。
クーノースに見せる気遣い、一応学校には通っている事を思わせる描写(自宅に宿題が置いてあったので)、主人公に対する見え方が変われば尊敬のまなざしを向けてくる素直さと柔軟さ。
終盤クーノを相棒にすると、キムを揶揄するクーノに「彼をそんな風に呼ぶな」と言えるシーンがあるのですが、そう言われたクーノはどうするかというと、素直に謝罪ともとれる言葉を口にするんですよね。
まさか彼があんな素直な言葉を返すようになるとは、どう見てもまともな教育を受けていないとわかる強烈な言葉遣いによる第一印象や薬物乱用の描写からは想像もできませんでした。
周囲にまともな大人がいれば真っ当に真っ直ぐ育つことも出来そうなクーノは特に、子供の未来と可能性を象徴するキャラクターであると感じました。
クーノース
遺体が吊るされている場所で、クーノの言動を囃し立てたり大人に暴言を吐いたりしているクソガキその2。こちらは女の子。
クーノとはきょうだいというわけではないらしく、彼女の生い立ちやバックグラウンドは殆ど不明です。
心情を一番語ってくれるのは主人公なのでどうしても主人公の傷にばかり目を向けてしまいがちなのですが、ディスコエリジウムは全体を通して“傷を抱えた人々の物語”であると感じました。
中でも特にそれが顕著に描かれているのは、自らの意思のみでは街を出る事も誰かに縋る事も出来ない子供たち。
中でも一番心配なのはこのクーノースでした。
この子はまともな大人になれるのでしょうか……。
ガルテ
みんな大好きワーリング・イン・ラグズの店長。
何もわからない状態で話しかけた時は「なんだこいつ!」と思ったのですが、普通に良い人でしたね。
そもそも最初のあの態度は主人公の方に非があったので彼を責める事は出来ません。
この人もタイタスと同じく、いくら威圧的に装ってもどうしても言葉の端々に人の良さが滲んでしまう人だなと感じました。
20代後半という年齢も相まってかわいさを感じます。
あれだけ部屋をめちゃくちゃにしたりお客さんたちの前で自殺未遂したりした主人公をそれでも宿泊させてくれるだけでもかなり良い人なのに、剥製を渡したら素直にお礼を言ってくれたり怪我をした主人公のために部屋を綺麗にしてくれたり……相当お世話になりました。
わたしは1周目でウェイトレスから辞めた原因をはっきり聞き出すことができなかったので、1周目終了時点では完全に彼女はガルテとの痴情のもつれで辞めたんだと思い込んでいました。ごめんよ。
プレイザンス
本屋の店長さん(?)で、アネットちゃんの母親。
実は初めてプレイザンスさんと会話したのは本屋ではなく、居住地のインターホンでした。
「特に用は無いけどなんとなく押してみたらあんたのとこに繋がった」と話したおじさんに対して「そういうのやめていただけます?」とぐうの音も出ない正論をぶちかましてきたので爆笑しました。
ド正論だよなあ!その節は本当にごめんなさい。
アネット
母親の手伝いで、真冬に本屋の入り口付近で呼び込みをしている少女。
非常に聡明で愛らしい良い子ですし、アネット本人は母親のことも嫌いでは無さそうですが、さすがに寒そうで見ていられなかったのでプレイザンスさんを交渉して店の中に入れる事に成功しました。
「きっとおじさんに似合うと思います」と帽子をくれます。とてもかわいい。
コール・ミー・マニャーナ
ストライキを眺めながら手すりに寄りかかっている長髪男性。
可愛い名前だなーと、いつ見ても思います。
掴みどころがなくて飄々としている雰囲気が好き。
バルコニーの喫煙者
すらっとした美人さん♂。
同性愛者地下クラブのメンバー。
自分のことを多くは語らず悟らせるのが上手い人だなと感じました。
終始セクシーでよかった。
レオ
クレア氏のところで働いているおじさん。コンテナの上で作業をしています。
ファーストコンタクト時の歌が可愛くて好きです。
なんかもう、ただただかわいいよねレオさん。
“共感”によると『これまでに出会った誰よりも誠実さが滲み出ている』青い瞳をしているそうです。好き。
レナ
ワーリング・イン・ラグズに居る、車椅子の老女。
上品かつかわいらしくてとても好きな人なのですが、話の流れで突然キムに対して人種差別的な事を言い始めた時は2度見してしまいました。
そんなにキムが彼女と彼女の旦那の仕事に対して否定的な事を言ったのが気に障ったのでしょうか……それとも最初からそういう思考だったのでしょうか、前者ならまだわからないでもないけれど後者だったら残念だなぁ。
レナさんに限らず、この国の人たちの差別思考は根深そうです。
シンディ
スカル族の女の子。
スカル族についてはあまり詳しく教えてもらえませんでしたが、おじさんが選択によってはジャケットを強奪することになる若者2名によればかなり残虐で危ないグループのようです。
シンディちゃん、口は悪いものの顔は可愛いし、おじさんの話をわりときちんと聞いてくれるし、絵を描きたいと懇願したらハケを貸してくれるし、ツンデレっぽくてかわいいなあという感想しか出ませんでした。
あれだけ人に怯えられているスカル族に所属しているということはそれなりに悪い事も色々やっている子なんでしょうか。もっと色々知りたかったなあ。
エッグヘッド
地元のハードコア少年たちの一人。
「ハーーーードコア!」(高音)
からの
「いや、そうだろうか?」(素)
がちょっと可笑しかったです。
急にスン……となるの面白い。地声は低いのね。
タイタス
ハーディ・ボーイズの準リーダー。
男性が憧れそうなタイプの、漢の中の漢。
最初はものすごく嫌な奴!と思ってたんですが……最終的にはもうずっと「タイタスかっけ~~~」と痺れっぱなしでした。
え~……やだもうほんとかっこいい、とんでもない奴が最後にちょっといいこと言うとすごくかっこよく見えてしまう現象ですねこれは。
劇場版ジャ○アンみたいな奴。(褒めています)
クラーシェ
男も女も魅了してしまう魔性の女。
わたしは彼女を取り逃がしてしまったため、結局正体についてはまるでわかりませんでした……。
わたしは彼女が言っていたレリーの瞳に関する感想(“小さな青い銀河がはめ込まれてるみたい”という表現の仕方)がとても好きで、それを聞いた時には「クラーシェさん、本当にあの傭兵の事が好きだったんだな……」と思いました。
今にして思えば、彼女の発言は殆どが嘘だったのだろうと思いますが、レリーに抱いていたという恋心&様々なものから逃げている状況であるのにわざわざ警察を呼び寄せた(レリーの遺体について通報をした)理由についてのくだりは本物だと……いえ、“本物であってほしい”と願いにも似た気持ちを抱いています。
ただ、ルビーの気持ちを利用するような形で協力させたことはどうしても許せない気持ちでいます。
そりゃ勝手に期待したのはルビーかもしれませんが、主人公がクラーシェに抱いた印象やタイタスたちの口ぶりから見ても最初はクラーシェが期待を持たせるようなことをしたんじゃないかと思っているので……。
「まあ、お遊びで1回キスくらいしたかも」というクラーシェと「1回寝たことがある」というルビー、どっちが正しい事を言っているかと考えればそれはもう当然ルビーの言っていることが真実でしょうし。
男性と男性の恋焦がれ事情についてもかなり切なくて重い描かれ方をしていた本作ですが、唯一(?)女性同士でそれが描かれたルビーの相手がよりによってあの嘘で塗り固められた魔性の女(クラーシェ)というのがまた……このゲームの“一筋縄でいかない”ところを良く表していると感じます。
クラーシェって多分、“必要であれば同性とも寝られるけど基本的にはヘテロ”な女性だと思うんですよね。完全にわたしの勝手な印象と憶測ですが。
このゲームの関係性の描き方はどれもこれもとても美しくて、同時にとても怖いとも思ってしまいます。
ルビー
突然現れて突然いなくなった、鮮烈な印象を残す女性。
わたしは1周目で「靴底が片方だけすり減っている」云々の話が出た際、キムが「……ドラマーとか……」と言ったのに対して適当に返事をしたせいでそこで話が終わってしまいましたが、2周目で「トラック運転手かもしれない。彼らはよく使う方の靴底がすり減るから」という話を引き出したおかげでようやくルビーの靴底が片方だけすり減っていた理由がわかりました。
わたしの通ったルートではルビーはまんまと逃げて行ってしまいましたが、恋心を抱いた女性からも信用していたタイタスたちからも裏切られ、その後どうしたのか非常に気がかりです。
ルビーって強そうに見えても非常に不安定で、人知れず希死念慮を抱えている女性のように見えるので、マルティネーズではないどこかの町で自ら命を絶っていないと良いのですが……。
ジャン・ヴィクマール
主人公のおじさんの相棒。
主人公に対してひたすら悪態をつきまくるけれど、わざわざ様子を窺いに変装までして駆けつけてくれるおじさん。絶対おじさんのこと大好きだろ。
頼むからジャン氏や41分署の面々についてももっと詳しく我々に教えてくれ~!!!
続編を出してくれ~!!!!!
番外編:チアゴ
母、母ってうるさいんだよ。
闇の一党かおめーは。
番外編:不動産業者のお姉さん
顔怖すぎん?
ストーリーについて
大きな視点で見ればすべてつながっている物語でしたが、政治関連等理解力が足りず難しいなと感じた部分については結構読み飛ばしてしまったので、マルティネーズの歴史や作品の大きな軸となっているであろう労働者関連のいざこざについては実はあまり……というか殆ど理解しておりません。すみません。
ぼんやりとワイルド・パインズ社 VS エヴラートたちの組合が戦争寸前まで揉めていること、外国人を嫌悪して差別対象にしている人たちが大勢居る一方で外国人に雇用を奪われている現状から抜け出せないでいることだけわかっているような状態です。
それでも全部詳しく書くと長くなりすぎるので特に気になったところをメモしていきます。
おじさんとキムのやり取りに関してはもはや「かわいい」「かわいすぎん?」しか書いてなかったので8割くらい割愛しています。
だってあまりにもかわいいんだもん、なんなのあのおじさん2人。
・まず、クレア氏に会う為に港へ行った際に初めて暴力で解決できそうな場面に遭遇しました(道をふさいでいたメジャーヘッドとのいざこざで)。
しかしとどめの一発が失敗し、すごすごと退散することに……。
結局クレア氏のところには……えーとどうやって行ったんだったっけ。序盤すぎてもう記憶が曖昧ですね。
確かクーノの隠れ家経由で屋上を伝って行ったような気がします。
キムから「年齢のわりに今のジャンプはすごい」と褒められながら。
・ジョイスさんはかっこいい女性で好きなんですが、クレア氏はどうにもいけ好かないおじさんでした。
座るだけで死ぬ可能性があるほど座り心地の悪い椅子出してくるのやめろや!笑
金欠すぎて、お金くれると言われた時はちょっと迷ってしまいましたが傍にキムがいることを思い出したので受け取るのは我慢しました。
どのゲームにおいても傍に善人が居ると悪い事が出来なくなる軟弱メンタル俺。
・クレア氏に「とある“ネズミ”の家の鍵を開けっぱなしにしておいてくれ」という依頼をもらいました。
嫌な予感しかしない……と思ったけれどキムが「それをしないと先には進めないかも」と考えているようだったので渋々タスクを引き受けました。
結局、この家にはとあるレイシストが住んでおりその人とも随分後で出会うことになりました。
・文章量が凄まじく多いのに、誰かと会話する際に先に会った人や既に行った場所の話が出てきたらきちんと”既に知っている”反応を返せるのが凄いと感じました。
物凄くたくさんの会話バリエーションがあるんでしょうね。
・『吊るされた男』、無事に死因を特定しました。やったぜ。
・ただのモブだと思っていた、本屋のお客さんであるおばちゃん。
彼女の旦那さんの遺体を発見してしまった2人は、彼女の家を訪ねて旦那の死を報告することになります。
キムのハンカチは渡さない。
物凄く特別な物なんだ……特別なんだってば……ああもうしょうがないなあ!(※渡しました)
……うん。ハンカチ云々の冗談はさておき、ここの一連のやり取りはとてもしんどかったです。
喧嘩したり会話したり、毎日一緒に日常を過ごしていた人との突然の別れに直面した彼女の動揺や悲しみが伝わり、気持ちがとても重たくなりました。
こういう報告を日常的に行わなければならないであろう警察のお仕事って、メンタル的にも大変なんだろうな。
あんまり感情移入しないようにしないとやっていけない仕事ですよね。
・教会の名前は“ディスコ・エリジウム”にしました。
楽しそうな若者たち、めちゃくちゃかわいいな~。
ずっと仲良くするんだよ。
・クレアの使いっ走りはまだまだ続いており、おじさんとキムは寂れた漁村を別の施設にするための署名を集めろと言われていました。
ところが、しっかりと契約書の内容に目を通したところ、このままこの話を進めてしまうと今漁村に住んでいる人たちは工事の騒音などにより生活がままならなくなる可能性が高い事が発覚。
そこで、署名はキムと話し合っておじさんが偽造しました。えへへ。
これでこの書類は不備のあるものとなり、いざという時には契約を無効にできるはずです。
クレア氏の役に立つことはしたくない。絶対にだ!という思いが勝ってしまいました。
……ただ、クレア氏が「この漁村をもっと幅広い人たちが住めるより良い住まいにしたい」と考えていることは本心のようです。
“より多くの人を幸せにする”ためのダムや高速道路等の建設で立ち退きを迫られる事がありますし、今回のケースはひょっとするとそれと似たような話なのかもと感じました。
実際そこに住んでいる人たちからすれば迷惑極まりない話ですけれどね……。
・芸術は爆発だ!
この落書きをした後にクーノのところへ行ったら、クーノが「あの壁の文字、見たぞ」とコメントをくれてちょっと嬉しかったです。
・カラオケを歌って、「この歌をキムに捧げる」とドヤ顔で意味不明な事を口走ってしまったのですが、キムは一瞬微笑んでくれました。優しすぎん?
(実は歌う事を許可してくれたガルテに捧げようかちょっと迷いましたがプレイヤーの欲望がおさえきれませんでした)
・わたしの1周目データでは、ジョイスさんは黙って街を離れて行ったためワイルド・パインズと労働者たちとの戦争は起きませんでした。
・色々と調査を進めてルビーに会いに行った時点で30時間以上遊んでおり、もうそろそろ終わると思っていたのでそこからの熱い展開にはびっくりしました。
銃撃戦の激しさを文字の熱量で描いてくれるの助かりすぎる……。
・実は最初は傭兵たちとの銃撃戦で8名の死者が出る大惨事となりました。
成功率が非常に高かったのにスキルチェックに失敗した結果キムも撃たれてしまい、なんと代わりにクーノが。
キムのことを眼鏡と呼んだので窘めたら素直に頷いたのが超かわいかったです。
ちゃんとした大人が傍に居れば改心できるタイプの少年なんですね、この子。
主人公のおじさんをちゃんとした大人と呼んでいいのかは些か疑問ですが。
でもさすがに1周目で8名も死人を出した上にキムとこのままさよならするのはキツすぎたので、ロードしてやり直すことに……。
※クーノと一緒に行動するデータはまた別データとして残しておきました。感想は機会がありましたらまた別に投稿します。
・はい、ということで……
キムと調査再開です。
やり直したものの、傭兵3名&組合4名は絶対死んじゃうっぽい?
ハーディ・ボーイズ、最初はいけ好かない集団だと思いましたが、話をすればするほどみんな好きになっていたので非常に残念です。
それにしても、撃たれたのに2日で立ち直るおじさんの身体能力すごいな。
・ここまで駆けずり回って来て結局、いやお前誰だよ!?って人が犯人なの……?あんなに人がいっぱい死んだのに……と最初はちょっと拍子抜けしてしまったんですが、彼との会話は非常に読み応えがありました。
戦争を経験してPTSDになったキャラクター自体は洋ゲーで何度か見かけたことがありますが、ここまで淡々と”当時の絶望と恐怖”を赤裸々に語るひとに会ったのは久しぶりです。
『そんな時代があったことを忘れて普通に笑って生活している町の人たちを見る事が嫌だった』って、今を生きている人たちからすればとんでもない話だと感じますが、これはもう彼と同じような経験をした人にしか共感できない感情なんでしょうね。
・クラーシェさんって相当美しいんだろうなあ。
タイタスも、否定していましたけどわたしは絶対彼はクラーシェさんに惚れてたと思っています。
主人公も危うかったですもんね。
そして脱走兵も虜に……。
魔性の女すぎる。
動機も、兵士だ!憎い!ということであればまだ理解できたのに実際は嫉妬心という。
・おじさんとキムの尊いやり取りはもちろんなんですが、実はわたしがこのゲーム中で一番興奮したイベントは……昆虫学者の一連のあれこれでした。特にラスト。
インスリンデナナフシ!!!!!!!!!!
ってマジで呟いてしまいました。
あ、あんなデカい生き物だったの!?
というかよりによってこのタイミングで出現するか!!?
えっ待って今すぐにレナおばあちゃんに報告したいんですけど!
脱走兵のことは今はいいからレナおばあちゃんに電話したいよ!
脱走兵そっちのけでカメラを構えたりナナフシと交流しようとしたりする警部補×2、あまりにもかわいい。
「昆虫たちがおまえを見ている。おまえを応援している」って教えてくれるインスリンデナナフシ~~~!!!
ご飯のあたりの会話がめちゃくちゃかわいくてにやにやしながらスクショ撮りました。ヤムヤム!
インスリンデナナフシが立ち去った後、笑いが込み上げてきてしばらく笑っていました。
だってあんなにデカいなんて……そりゃモレルさんの罠じゃ捕まえられないよな~……。
インスリンデナナフシの立ち去った場所から重要証拠品がゴロゴロ出てきてまた笑いました。
全然事件と関係なさそうなクエストだったのに!
隅から隅までしっかり遊んでおいてよかった。
脱走兵がクラーシェさんに恋をして、嫉妬心からあんなことをやらかしたのは結局インスリンデナナフシの不思議な魔力にあてられたせいという解釈で良いんでしょうか。
薄い本に出てきても不思議じゃないような卑猥能力ですね。けしからんな。
・わりと心のままに行動していたような記憶があるのですが、最終的にはキムに信頼された状態で終わる事が出来たようです。
おじさんの同僚たちに向かって淡々とおじさんの誉め言葉を並べてくれるキムを見ていると、嬉しくてしょうがない気持ちになりました。
キムが褒めてくれただけでもう感無量です。よかった。何も思い残すことはありません(?)
一緒に働かないか聞いてみたところ好感触っぽかったですし(ただしキムの興味はおじさんではなく41分署の別警部に向いていましたが)、本当にこのままおじさんの同僚になってくれないかな……と思ってしまいました。
以上。
1周目ではそれほど冒険しなかった(危なそう・キムの心証が悪くなりそうな選択肢は試してみなかった)ので、ゲームオーバーになったのは1回だけでした。
ただその内容は、ハーディ・ボーイズの面々の前でキムの銃を使った自殺を仄めかす→キムが止めるのも構わず実行するというなかなか最低なもの。
実は1周目では店員の女の子から事の顛末を聞き出せておらず主人公が店内で似たような騒ぎを起こしていたことをきちんと理解できないまま遊んでいたため「はえ~本当にやっちまうとは しかもキムの銃で……」くらいの感想だったのですが、キムはもちろんガルテにも多大なる迷惑をかける終わり方だったなと反省しました。
こんなことがあったらガルテ、店畳んじゃうんじゃないでしょうか。
もうちょっと頭の良さそうな感想を書けたら良かったのですが、わたしの語彙力ではこれが限界でした。
この膨大な文章量と世界観を自然な日本語に翻訳して日本でも発売していただけたことがとても嬉しいです。
出会えてよかったと思える作品のひとつになりました。
次回作やDLCがいくらでも作れそうと期待できる終わり方をしましたね。出るといいなあ。
おじさんやキムのバックグラウンドをもっともっと知りたい。深堀してほしい。
心底そう願ってしまうくらい、圧倒的な文章力と翻訳で描かれるキャラクター描写が物凄く良かったです。
2周目もゆっくり進めているので、また書きたいことが出てきたら別記事で出そうと思います。
今回はここまで。