
そろそろ涼しくなってきましたね。
今回は、“スマホの中で働くアプリケーションたち”を擬人化した作品 Backfirewall_ の感想文です。
一言感想:Hello, World!
あらすじ
とあるユーザーが持っているスマートフォンで目を覚ましたあなた。
あなたは、このスマホのオペレーション・システムをアップデートするための存在だ。
現オペレーションシステムであるOS9はアップデートによって自身が消えてしまう事を恐れ、あなたにとある提案を持ちかける……。
ゲームについて
・日本語音声……なし。
・日本語字幕……あり。
・主人公……OSアップデートアシスタントアプリケーション
・仲間……OS9
・ゴア表現……なし。
・クリア後について……タイトルへ戻ります。引き継ぎ要素等は無さそう。
・その他……手動セーブ無し。オートセーブのみです。
わたしの場合、クリア時点でプレイ時間は10時間強でした。
早い方なら5~6時間くらいでクリアできそうです。
感想(※この先ネタバレあり)
※この先はスクショも含めクリアした方向けのネタバレがあります!
プレイ予定の方、未クリアの方はご注意ください。
全然知らないゲームだったのですが、「スマホ内のアプリやソフトウェアやシステムがキャラクターとなって、スマホの中で働いている……という設定の物語」という他の方の紹介で気になって購入しました。
ちょっとしたパズルや収集要素も含め、とても面白かったです。
タグに『コメディ』とあるのですが、物語の展開としてはわりとシリアスだったんじゃないかなと思います。
笑えるよりも、“罪悪感”や“不安”の感情が大きかったです。
良かったところ
・最初の設定画面の時点で遊び心満載。
「あ、これは絶対好きなやつだ」と確信しました。
・字幕が白いため、背景と同化するとたまに見辛い時があるな……と思ったのですが、設定画面で大きさも色も変更することが出来ました。
こういう気遣い、とてもうれしい。
・壁の落書きまで訳してくれています。
最高。
・謎解き難易度
多分、かなり低めだったと思います。
物語性のあるゲームでパズル系があまり複雑だとイライラしてしまうタイプなので、ありがたかったです。
気になったところ
・オートセーブしかない
先に進んでしまうともう前の場面に戻れない展開が多く、オートセーブしかないことが不便に感じました。
「こっちに進む場合と、脇道に逸れた場合。どっちが正規ルートだろう……」と毎回悩み、意図せずストーリーが進んでしまう方に行ってしまった時は「まだ探索したかったのに……!」と悔しい思いをしました。
ちょっとした収集要素があるので、なおさら。
プレイメモ
プレイ中の雑多なメモ。
・壁の落書き:今すぐアップデートがなきゃみんな一巻の終わりだ
・メンテナンスは古いOSの維持に非常に苦労しているようです。
そりゃそうだよね……。
・セキュリティソフトさんに捕まり、本来アップデートプログラムが仕事をする予定の場所へ戻されました。
必死に止めようとするOS9を無視し、誘惑に負けてアップデート。

OS10さんは女性ボイスでした。
最後にOS9から恨み節メッセージが届いていて、申し訳ないけどちょっと笑ってしまいました。
「オレのデータのケツでも拝んでな」。
マジごめんて……次からちゃんとやるから……。
・開いてもらえないアプリがユーザーに失望していく様子、そして飽きられたアプリがアンインストールに怯える様子など、少し胸の痛むログが色々拾えました。
・Wi-Fi郵便局、役所のあの面倒臭いたらい回しを追体験出来て素晴らしくめんどくさかったです。
Fall○ut76でもこういうクエストやった記憶があるけど、外国のゲームのこういうところへの異様なこだわりは一体なんなんだ。
・暗号鍵コンテナの所でちょっと詰みそうになりましたが、もしかして2Fより上に何かあったっけ?
……と再度上階へ上がってみたところ、ワットたちの居るベンチの近くに、受付で苦労して手に入れた書類を使って開けられる扉がもうひとつありました。
・ああ、時々拾えるログは暗号化されて読めない青いほうのメッセージがユーザー発信なんですね。
黄色い方が受信か。ずっと勘違いしてました。
みんな大好きなユーザーことマリアムは、SNSで出会った人を騙してお金をせびるような子でした。
めちゃくちゃ悪い子じゃん。こわー……。
・アプリたちがみんな劇場へユーザーショー(ユーザーの動画)見に来てるの超かわいい。
・ヘクターという名前の0ビットをずっと探していた子に、ヘクターを返しました。
こんなことやってもこの子たちはもう壊れちゃうけど……それでも、最後にいい事できてよかった。
・なんと、クラウドに行けるデータたちの分岐があるようで驚愕しました。
ええ……?バンキングが生き残るルートあるの?!
警備員777はプレイヤーが岩をガーンとぶつけたおかげで(?)配置換えになったらしいので、そこが彼のクラウド余生分岐だったんでしょうか。
WATは補聴器を渡してあげたおかげでクラウドに行けたのかな?
キャッシュクリーナーは、迷いつつも解凍ソフトの件を伝えたことで生き延びたのかも。
あのまま教えずにいたら劇場で死んでた可能性が高そう。
ピクセルって誰だよと思ったら、あれか、データコーヒークレクレおじさんか。
どこかでコーヒーをあげられたってことね(あげなかったから消滅した?)。
うーん、いま改めて考えてもバンキングだけ条件がわからないな。
ループを止める手段があったってことかな……?
キャラクターについて
OS9👁

準主人公。
とてもお喋り。
嘘がつけないようにプログラムされている(※本人談)そうで、ちょっと空気が読めない。
通称:ボス。
「今までで一番最悪なOS」と内部で悪口を言われているオペレーティングシステム。
喋る事の出来ない主人公に代わり(?)いつもぺちゃくちゃお喋りしてくれます。
最初はただただ「ちょっとうるさいけど、かわいいOSだなあ」と思っていました。
しかし、OS9が必死に「まだ大丈夫」「こんなの大した問題じゃないから」と言ってくる度にスマホ内部の惨状を目にする場面が増えていき、プロセスやメンテナンスたちがボロボロになりながらアップデートを心待ちにしているのを見かける度に「これは……」という気持ちになっていきました。
とどめのように、ユーザーからも「スマホのアップデートが全然終わらないの!」と苛立っている声が聞こえます。
そして、わたし個人が解凍ソフト推しだったこともあり、解凍ソフトの一件以来はOS9に対する明確な失望や苛立ちが募っていきました。
「みんなをZIPファイルにしてクラウドへ連れて行けば、それってハッピーエンドだよね?」と無邪気に話すOS9に、心の中で「でも、わたしとあんたのせいで解凍ソフトはもう居ないんだけどね……」と意地悪に返事をしてしまいました。
……だからこそ最後の展開は、ちょっとずるい。
あんなことされて、それでもOS9に恨み言を言うなんてことはわたしにはできない。
OS9を取り出すように言われた瞬間、「さすがにそんなことできない!死なば諸共だろ!」としばらくボタンを押せませんでした。
押さなかったら一緒に電子の海に消えるエンドもあるかなと思いましたが……どうやらそれ以外に方法が無さそうだったので、泣く泣くお別れをしました。
スマホ内部があんな状態になってしまったのは間違いなくOS9のせいですが、ユーザーことマリアムはどちらにしてもそのうちスマホを買い換える予定でいたようなので、今回アレックス以外のアプリケーションたちがクラウドに移住出来たのも、ある意味OS9のおかげでもある……と思います。
解凍ソフト

記憶力が最悪らしく、会う度に「初めまして!」と挨拶してくれる。
※記憶力が最悪になってしまったのは、OSアップデートがなかなか完了せずスマホ内部で崩壊が起きた際に頭にガレキがぶつかってしまったせいとのこと。
なんとなくパン屋さんみたいな見た目だと思っています。とてもかわいくて好き。
以前はWi-Fi郵便局に所属先があったものの、そこで崩落が起きて仕事場が異動になってしまったようです。
また、どうやらレジスタンスの一員(?)だったらしく、アレックスのログに度々名前が登場しています。
記憶力に難があるもののとても心優しい存在で、密かにキャッシュクリーナーから想いを寄せられていました。
キャッシュクリーナーからの想いのこもったログを受け取り、それに対する返事を書いていた時に主人公が酸の海に取り残されているところを発見。
危険を顧みずに助けに来てくれましたが、そのせいで解凍ソフトは酸の海へ落ちていき目の前で消滅してしまいました……。
ヘルスケア(アレックス)

ユーザーが一度もアプリケーションを開いてくれなかったことから闇落ちし、レジスタンスを結成した。
彼らのユーザーは若者だからヘルスケアを開かなかっただけだと思うのですが、悩んでいるアレックスに対して「役立たずアプリケーション」呼ばわりするOS9や他アプリケーション、血も涙もないのか?(ないだろ)
隠れ家にペンキで書いた落書きなどを読んだ感じ、わりと寂しがり屋で思いつめやすいタイプに見えました。
アレックスがずっと捜していた緑のポインタがアレックスの隠れ家で元気にしていてホッとしました。
道中、「緑のポインタを見つけたんだけど、すごく弱ってるよ。どうする?安楽死させる?」的な電話をもらったときに一応止めたんだけど、無事にアレックスのところに戻れたんだ……良かった。
フォト

少し冷たい印象を受けるアプリケーション。
OS9いわく、とても頭の良いアプリケーションでもあるそう。
スマホ標準搭載のフォトアプリでしょうか。
『I』とは不仲、『F』とはそこそこ仲良し。
アレックスと話をしていた際にユーザーの“裏切り”について聞き、その話に興味を持って主人公たちに協力してくれます。
SNS『F』

生真面目で、少し臆病なSNS。
曲がった事は許せない。
行方不明者ポスターの写真だといまいち形状を把握できていませんでしたが、会ってみたら本の形をしていました。
この子は恐らくFacebo○kですね。
最近ユーザーはFをあまり開かなくなってしまったそうですが、それでもFはユーザーを妄信的に信じており、レジスタンスになったアレックスのことを頑なに「ヘルスケア」と呼び続けます。
……顔本、今でも外国ではそこそこメジャーなSNSなんでしょうか?
インストールされた当時から権限承認の必要なくフォトにアクセスすることが出来たそう。
そういった縁もあってフォトからは少し可愛がられているようです。
SNS『I』

プライド高めなSNS。
フォトとは犬猿の仲。
いつも傍らに写真の入ったアルバムがたくさんあるので、恐らくIn○tagramだと思います。
GPUギャラリーに作品を飾って欲しくて権限を要求しているようですが、いつもフォトから断られているよう。
「時代遅れのバカ(※恐らくフォトのこと)が作品を展示しているんだから、私の作品だって展示してもバチは当たらないだろう!」と言った後、「ユーザーに直接お願いしたんだ!ユーザーが私のリクエストを拒否するわけないから、承認されないってことはどこかで誰かがブロックしてるんだ。そうに違いない!」と話していました。
お高くとまってると思いきや、かわいいとこあるんですね、イン○タ。
「ユーザーに直接お願いした」というのは権限のリクエストを送ったってことでしょうか。
そんなふうに表現されるとかわいいな。
SNS『T』

人懐っこく、とてもかわいい最新SNS。
最初から全ての権限を与えられており、ユーザーが大好き。
恐らくこの子はTikT○kと思われます。
いつもご機嫌でダンスを踊っており、毒が無い分影が薄めでしたが非常に可愛かったです。
彼女(?)とのダンスバトルは、良くわからないまま勝利しました。
ファイルコレクター

釣りをして、データファイルを収集することが仕事。
副業としてショップも開いている。
どうやらレジスタンスメンバーの一員だったようです。
どうやら、かなり重要ポジションと思っていたこの子にも生死分岐があったようで……。
何が分岐条件だったのか分かりませんが、わたしのデータでは生存してくれてよかったです。
アップデートしなかったことに対して謝罪したところ、「自分だって、もし自己消滅プログラムを使う命令が出たところで従わなかったと思うから、気にする必要はない」と淡々と話してくれて、少し救われた気持ちになりました。
では、今回はここまで。