(作者: 3色ぱん 様(ネコの人 様/scarecrow 様) / 3色ぱん│公式サイト)
フリーゲーム、アントールの犬を遊んでいました。
ゲーム紹介と感想です。
ゲームについて
ただひたすら歩いてイベントを進めていくアドベンチャーゲームです。
犬たちと過ごす人生の物語。
※セーブ機能がないゲームなので、ある程度時間に余裕のある時のプレイを推奨します。
想定プレイ時間は約45分ほどと記載がありますが、私はゆっくり遊んだので1時間弱ほどかかりました。
感想(※ネタバレあり)
レビューサイトなどで何度かタイトルを見かけていて、気になってダウンロード……したまましばらく遊べていなかったゲームのひとつ。
愛犬を亡くしてもうじき丸一年が経とうとしているこのタイミングで遊ぶことにしました。
ゲーム内の雰囲気が非常にお洒落で落ち着いており、イベントの展開やひとつのシーンが終わった後の演出も綺麗なのに切なく、でもどこか幸せに溢れていて、とても素敵なセンスだと感じました。
外国にある比較的裕福な家のお話かな……と想像しながら進めていきました。
物語が一段落する度に街灯に表示される文字、最初はてっきり男の子(主人公)の年齢が表示されているのかなと思っていたのですが、10~13くらいが多いところを見るに”亡くなった犬の歳”を表しているのでしょうか。
犬たちの動きがリアルでかわいい。
我が家にはもう猫しかいませんが、「人の顔色を窺いながらいつでも空気を読んだ行動をしてくれるのはやっぱり犬だなー」と懐かしく思い返しました。
(猫にももちろん空気が読める性格の子はいるだろうと思いますが、うちの猫たちは大いに自分たちの気分によってその日その日で態度を変えてくるので……。笑)
このゲームは、『特別な事は何もない穏やかな日常と人生が、ただ、“犬”と共に描かれているだけ』なのですが、たったそれだけなのに、登場人物たちが“犬と歩む人生”をとても幸せだと感じていることがひしひしと伝わってきました。
犬たちが共に過ごすことになる一家は平凡……いえ、むしろ幸せな人生を過ごしているであろう人たちなのですが、終盤の切なさには胸が締め付けられて号泣しつつ歩きました。
赤ん坊が生まれる、恋人ができるなど『出会い』に関することはきちんと描かれつつ、『永遠の別れ』に関することはほとんど具体的には触れられないまま物語は進行してゆくのに、“幸せ”や“喜び”と同じくらい“悲しみ”や“切なさ”も感じる素晴らしい作品でした。