(作者:相馬冬 様)
フリーゲーム、蜃気楼の教室を遊んでいました。
ゲーム紹介と感想です。
ゲームについて
分岐点等の無い、ひたすら物語を読み進めるビジュアルノベルです。
BGMは文章を読む際に邪魔にならないものが選ばれているので物語を堪能することができます。
誰とも関り合いになりたくないという思いから静かに日々を過ごしている男子高校生、佐野冬馬。
佐野の前の席には酷く存在感の無い少女が座っており、佐野は彼女の事を心の中で「蜃気楼の少女」と呼び、自身の理想とする生き方としてひっそりと羨んでいました。
しかしそんなある日、いつも「蜃気楼の少女」が座っている席に見覚えのない少女が座り……。
物語では「現在」を生きる高校生である佐野と、「蜃気楼の少女」の席に突然現れた柚木の物語、そして今から「5年前」、交流を深めていた幼い少女たちの話が交互に紡がれていきます。
感想(※ネタバレあり)
※特にネタバレになりそうなところは反転
1時間半ほどで読了。
文章が好みでした。
余計なものは削ぎ落してシンプルにしつつも、情景描写がとても上手い。
【文章が上手なのに若干視点があやふやに感じる部分が多く、少しだけ気になっていたのですが、終盤に“地の文の視点があやふや”だった理由と仕掛けが明かされて納得。】
切なくて物悲しいけれど読み終えた後に少し温かい気持ちにもなれる不思議なお話でした。
【千佳ちゃんとの例の事件が起きた後、「わたし」が見る悪夢の内容が異常にリアルで怖かったです。
嫌な想像をしている時って本当にそういう夢を見てしまいますよね。】